色素用の高アントシアニンカンショ新品種候補系統「九州180号」

タイトル 色素用の高アントシアニンカンショ新品種候補系統「九州180号」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2015
研究担当者 境哲文
高畑康浩
甲斐由美
小林晃
吉永優
片山健二
藤田敏郎
大西浩徳
西山浩司
発行年度 2015
要約 カンショ系統「九州180号」は「アヤムラサキ」よりアントシアニン色素の含量および安定性が高く、いもの外観や線虫抵抗性に優れており、色素原料用として利用できる。
キーワード サツマイモ、アントシアニン、色素用、線虫抵抗性
背景・ねらい 紫色系の天然着色料として紫カンショの色素が広く利用されており、主力品種である「アヤムラサキ」は南九州地域を中心に作付されている。「アヤムラサキ」の色調を生かした加工用途は多岐にわたり、紫カンショの認知度向上に果たした役割は大きい。しかし、いもの形状が乱れやすく病虫害抵抗性も十分ではない、また、近年では海外産の安価な色素との価格競争にさらされるなどの問題を抱えている。実需者からは「アヤムラサキ」より色素含量が高く、商品生産コストの低い品種に対する要望が高まっていることから、いもの外観や線虫抵抗性に優れ、高色素・高安定性といった付加価値の高い色素用品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「九州180号」は2008年にいもの外観が良く高アントシアニンの「九系04208-2」(母)と同じく高アントシアニンで色素安定性が比較的高い「九系04222-50」(父)を交配し選抜した系統である。
  2. いもは長紡錘形でやや小さく、皮色は濃紫、肉色は濃い紫で外観は「アケムラサキ」と同等であり「アヤムラサキ」より優れる(表1、図1)。
  3. アントシアニン色素含量(色価)はいずれの栽培条件でも「アヤムラサキ」や「アケムラサキ」より高く(表2)、色素の光や熱に対する安定性も優れる(表3)。
  4. 「アヤムラサキ」と比較し、株当たり上いも個数は多いが1個重が小さいため、上いも重は早掘透明マルチ栽培を除き「アヤムラサキ」より低い(表2)。
  5. サツマイモネコブセンチュウ抵抗性、ミナミネグサレセンチュウ抵抗性はいずれも"強"で、貯蔵性は「アヤムラサキ」と同等の"やや易"である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 宮崎県および鹿児島県で契約栽培が行われる予定である(当面の普及見込面積20ha)。
  2. 晩植、長期栽培適性が「アヤムラサキ」より劣ることに留意し、適切な時期に植付、収穫を行うよう努める。
  3. 黒斑病およびつる割病抵抗性が"中"なので、これら病害の多発地帯では健全な種いもの利用と適切な防除に努める。
  4. サツマイモネコブセンチュウ抵抗性はSP1レースが優占の試験圃場での結果であるが、ポット苗を利用した検定法では南九州地域の優占種であるSP2レースに対しても抵抗性を示す。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028654
カテゴリ 加工 かんしょ コスト 栽培条件 新品種 抵抗性 品種 防除

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