パスタ適性に優れる日本初のデュラム小麦新品種候補「セトデュール」

タイトル パスタ適性に優れる日本初のデュラム小麦新品種候補「セトデュール」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2015
研究担当者 高田兼則
谷中美貴子
石川直幸
船附稚子
長嶺敬
大楠秀樹
発行年度 2015
要約 「セトデュール」は、日本で初めて育成されたデュラム小麦品種である。普通系小麦よりも良質のセモリナがとれ、スパゲッティの食感に優れる。成熟期は「農林61号」並の中生で、短稈で耐倒伏性に優れ、収量性は「農林61号」と同程度である。
キーワード デュラム小麦、セモリナ、パスタ、穂発芽、赤かび病
背景・ねらい 4倍体種(ゲノムAABB)のデュラム小麦(Triticum turgidum L. subsp. durum (Desf) Husn)は、6倍体種(AABBDD)の普通系小麦(T. aestivum L.)に比べて成熟期が遅く、赤かび病に弱く、白粒で穂発芽性が弱いため、国内ではほとんど栽培されておらず、これまで本格的な品種育成は行われていない。瀬戸内地域は日本国内では温暖で、登熟から収穫期の降雨が比較的少ないことからデュラム小麦の栽培の可能性があると考えられる。近年では、国産のデュラム小麦を使用したパスタについての要望もある。そこで瀬戸内地域での栽培を目指して、普通系小麦品種「農林61号」並の成熟期となるデュラム小麦品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「セトデュール」は、瀬戸内地域で栽培可能なデュラム小麦を目標として、米国のデュラム小麦品種「Produra」を母に、イタリアのデュラム小麦品種「Latino」を父として交配を行い、派生系統育種法によって選抜固定を図ってきたものである。2014年度の世代は雑種第14代(F14)である。
  2. 「セトデュール」は、「農林61号」と比較して以下の特徴がある。播性の程度はIで、出穂期は4~5日程度遅く、成熟期は1~3日程度遅い中生である(表1)。
  3. 稈長は短く、耐倒伏性は強い。穂数は少なく穂長は短い、芒は長く、ふ色は黄褐である(表1)。
  4. 穂発芽性は"易"で、赤かび病は"かなり弱"で、赤さび病やうどんこ病は"強"の抵抗性である(表1)。
  5. 千粒重と容積重は大きく、収量は同程度である。粒の色は黄の白粒で、原麦粒の見かけの品質は同程度である(表1)。
  6. 製粉歩留は同程度であるが、セモリナ生成率は高い。60%粉の明度は低いが、赤み(くすみ)が低く、黄色みが高く、黄色色素が多い(表2)。
  7. スパゲッティの色調や官能評価は輸入のCWAD(カナダ産ウエスタンアンバーデュラム)より劣るが、「農林61号」や「ミナミノカオリ」よりは黄色みが強く、官能評価に優れる(表2、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象地域は瀬戸内地域の平坦地である。
  2. 赤かび病に極めて弱いため、適期防除を徹底する。
  3. 除草剤、殺菌剤などの薬剤は小麦の登録がある薬剤が使用できる。
  4. 成熟期が「農林61号」並みで、穂発芽耐性が弱いため、適期播種、適期収穫に努める。
  5. 農産物検査は小麦、ランク区分はパンおよび中華めん用小麦を適用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028651
カテゴリ 育種 うどんこ病 小麦 新品種 除草剤 抵抗性 播種 品種 防除 薬剤

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