湿潤転換畑での放牧では、耐湿性草種でも踏圧により早期に衰退する

タイトル 湿潤転換畑での放牧では、耐湿性草種でも踏圧により早期に衰退する
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2016
研究担当者 池田堅太郎
東山雅一
東山由美
梨木守
発行年度 2016
要約 水田転換畑に耐湿性草種フェストロリウム(品種バーフェスト)を播種すると、湿害もなく、牧草地が造成できる。しかし、土壌の水分が高く、柔らかい水田転換畑では、放牧牛の踏圧が強いため、フェストロリウムであっても植生が衰退し、早期に裸地化する。
キーワード 水田放牧、耐湿性、踏圧、土壌水分、軟らか度
背景・ねらい 水田転換畑を利用した水田放牧が多くの地域で普及しつつある。しかし、水田転換畑に耐湿性の高い永年生牧草の草地を造成しても、放牧後すぐに荒廃する場合が多い。水田放牧で牧草が衰退する要因として、牧草の湿害以外に放牧牛の踏圧の影響が考えられる。そこで、水田転換畑の土壌水分の異なる場所で、放牧牛の踏圧が耐湿性の高いフェストロリウム品種「バーフェスト」を導入した牧草地の植生に与える影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 水田転換畑の放牧草地は一般的な放牧草地に比べて土壌水分が高く、土壌は柔らかい(表1)。
  2. 9月中旬に水田転換畑にフェストロリウム「バーフェスト」を播種すると、土壌水分が70%を超える場所でも湿害の影響は無く、翌春はフェストロリウムが優占し、雑草もほとんど無い牧草地ができる(表1)。
  3. 2週間に1度の頻繁な刈取り利用の場所よりも、採食に加え放牧牛の踏圧の影響もある放牧利用の場所のほうがフェストロリウムの衰退は早い。放牧利用の場所では、土壌の柔らかい高湿潤区でフェストロリウムの衰退が著しい(図1、図2)。
  4. 踏圧のある放牧利用の場所では刈取り利用の場所よりも裸地化が早い。放牧利用の場所の中では、特に高湿潤区で激しい裸地化が見られる(図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験は岩手県盛岡市の低地土の水田転換畑37aで行った。放牧には黒毛和種繁殖雌牛2頭を用いた。
  2. フェストロリウムなどのロリウム属牧草は初期の生育が早く、高い土壌水分条件でも定着が良いので、水田放牧にロリウム属の永年生牧草を用いる場合は、地下茎による繁殖力が高いレッドトップと混播すると良い。ロリウム属牧草とレッドトップとの混播技術の詳細については、「ペレニアルライグラス混播による耐湿性草種の導入は遊休水田の草地化が早い」(東北農業研究センター2010年度研究成果情報)を参照されたい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028637
カテゴリ 雑草 湿害 水田 耐湿性 播種 繁殖性改善 品種

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