寒地向け多収・低アミロース米水稲新品種候補系統「北海324号」

タイトル 寒地向け多収・低アミロース米水稲新品種候補系統「北海324号」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2015
研究担当者 松葉修一
梶亮太
梅本貴之
清水博之
横上晴郁
黒木慎
池ヶ谷智仁
保田浩
芦田かなえ
幸谷かおり
発行年度 2015
要約 「北海324号」は北海道での出穂期が"やや早"に属し、Wx1-1qAC9.3の2つの低アミロース遺伝子を持つアミロース含有率が約10%の系統である。炊飯米は粘りが強く良食味であり、玄米ご飯やいかめし、冷凍寿司などの加工用途にも適する。
キーワード イネ、低アミロース、玄米ご飯、Wx1-1qAC9.3
背景・ねらい 低アミロース米品種は、その炊飯米の粘りは強く、良食味であり、これまでの水稲育種に活用されてきている。低アミロース性については、近年の北海道では、(1)「あやひめ」に代表されるアミロース含有率約8%、(2)「おぼろづき」に代表される約14%、(3)「ゆきさやか」に代表される約16%といった、いくつかのグループに分けられ、用途や加工適性が異なる。そこで、複数の低アミロース遺伝子を集積し、異なるアミロース含有率の低アミロース米系統を育成するとともに、その優れた加工用途などを示すことで新たな米の消費拡大を図る。
成果の内容・特徴
  1. 水稲「北海324号」は、qAC9.3の低アミロース遺伝子を持ち、耐冷性極強の中間母本「北海PL9」を供与親に、Wx1-1の低アミロース遺伝子を持ち、多収で耐冷性の強い品種「ゆきがすみ」を戻し交配親として、マーカー選抜を行いながら5回交配した後代より、選抜・育成された低アミロース系統である(表1)。
  2. 育成地・標肥区における出穂期は「あやひめ」より1日遅い"やや早"、成熟期は「あやひめ」より4日遅い"中"に属する(表1)。
  3. 玄米収量は、「あやひめ」より10%程度多収で、「ななつぼし」並である(表1)。
  4. 穂ばらみ期耐冷性は"かなり強"で、「あやひめ」「ななつぼし」よりも強い(表1)。
  5. いもち病真性抵抗性遺伝子は、"Pia,Pii,Pik"と推定され、いもち病圃場抵抗性は、葉いもち、穂いもちともに"やや弱"であり「あやひめ」よりも劣る(表1)。
  6. Wx1-1qAC9.3の二つの低アミロース遺伝子を持ち、白米のアミロース含有率は約10%の低アミロース系統であるが、「あやひめ」より2ポイント程度高い(表1)。
  7. 白米のタンパク質含有率は、「あやひめ」並である(表1)。
  8. 玄米による炊飯米、白米によるいかめしや冷凍棒寿司など粘りが強いことを利用した用途への加工適性に優れ、食味官能評価も高い(表2、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 玄米食やいかめしなどの、炊飯米の粘りが強いことを活かした用途や加工食品の開発に利用できる。
  2. 本系統は、旭川市で数haの限定的な普及が見込まれるため品種登録出願を行う。
  3. 耐倒伏性は強くないので、極端な多肥栽培は避ける。
  4. いもち病抵抗性は十分ではないので、適正な防除に努める。
  5. 種子の入手および増殖に関しては、育成機関に問い合わせる必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028622
カテゴリ 育種 いもち病 加工 加工適性 寒地 消費拡大 新品種 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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