植物型レバンを生産できるテンサイ

タイトル 植物型レバンを生産できるテンサイ
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2015
研究担当者 松平洋明
田村健一
玉掛秀人
佐藤裕
安西弘行
吉田みどり
発行年度 2015
要約 チモシーのフルクタン合成酵素遺伝子を用いて作製したテンサイ形質転換体は、根部にフルクトースがβ(2→6)結合で重合した植物型レバンを大量に蓄積する。
キーワード テンサイ、フルクタン、レバン、形質転換、機能性糖
背景・ねらい スクロースを基質として合成されるオリゴ・多糖であるフルクタンにはβ(2→1)結合型のイヌリンとβ(2→6)結合型のレバンがある。両糖ともプレバイオティクスなどの健康機能性が良く知られている。レバンは、その高い保水性や粘性から食品以外の利用も注目されている。市販のレバンは主に微生物の酵素による産物であり、フルクトースがβ(2→6)結合で重合した主鎖にβ(2→1)鎖を持ち、糖の重合度が100から数千以上に達する長鎖を特徴とする。一方、植物に蓄積されるレバンは微生物よりも重合度が低く、新たな機能性や利用が期待される。また、植物による大量生産も望まれる。本研究ではイネ科牧草チモシーのフルクタン生合成酵素遺伝子(PpFT1およびPpFT2)をテンサイに遺伝子導入し、植物型レバンを生産できるテンサイを開発する。
成果の内容・特徴
  1. チモシーの異なる酵素機能をもつsucrose:fructan 6-fructosyltransferase遺伝子PpFT1およびPpFT2をCaMV 35Sプロモーターで過剰発現させたテンサイ形質転換系統「35S-PpFT1」および「35S-PpFT2」は、原系統「NK-219mm-O」(以下、「WT」と称する)に比べて根重が50~35%減少するが、それ以外に形態異常は見られない(図1)。
  2. 「WT」の根部ではオリゴ・多糖の蓄積が検出できないのに対して、「35S-PpFT1」および「35S-PpFT2」の根部にはβ(2→6)結合型のレバンが蓄積する(図2)。
  3. 「35S-PpFT1」は主に重合度が10から40以上の側鎖を持つレバンを蓄積するのに対して、「35S-PpFT2」は3糖である6-ケストースから重合度40以下の分子量の低い直鎖β(2→6)結合のレバンを蓄積する(図2)。
  4. 「35S-PpFT1」および「35S-PpFT2」では根部に蓄積するスクロースのほとんどがレバンに転換され、多い系統で60 mg/g FWを超えるレバンを蓄積する(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 植物型レバンの大量合成技術開発につながる。
  2. 用いる酵素を変えることで、重合度の異なるレバンを生産できる。
  3. 植物型のレバンの機能性解析や利用開発が可能となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028620
カテゴリ 機能性 てんさい

この記事は