タマネギ直播栽培における直下施肥を用いたリン酸肥料の減肥技術

タイトル タマネギ直播栽培における直下施肥を用いたリン酸肥料の減肥技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 臼木一英
竹中眞
室崇人
辻博之
発行年度 2015
要約 黒ボク土ほ場でのタマネギ直播では、過リン酸石灰の播種条下(2~4cm)局所施肥(以下、直下施肥)によって生育が促進される。また、施用リン酸の成分量で10kg/10aを直下施肥することで減収することなく基肥リン酸の30%程度が減肥できる。
キーワード 局所施肥、直下施肥、タマネギ、直播栽培、リン酸
背景・ねらい 国内のタマネギ需要は年間120万トン程度と推計され、現在、加工用を中心に中国産などのタマネギが年間30万トン程度輸入されている。輸入品を国産品に置き換えるには、生産量の拡大に加えてコスト低減も必要であり、直播栽培や減肥栽培のような低コスト生産技術の開発を進める必要がある。しかし、畑作地帯に多い黒ボク土ほ場では施肥リン酸が速やかに固定されるために吸収量を大きく上回る施肥が行われる場合があるので、生育量を確保しつつ低コスト化を図る施肥方法の開発が必要である。そこで、リン酸吸収係数が高い黒ボク土ほ場でのタマネギの直播栽培において直下施肥を用いたリン酸肥料減肥の条件を検討して技術開発に寄与する。
成果の内容・特徴
  1. 局所施肥をするにあたり、ポット試験において過リン酸石灰の施肥位置を検討した結果、播種後47日目の草丈はリン酸成分の全層施用と比べてコート種子下4cm以内に施用すると有意に高くなる(図1)。
  2. 直播したタマネギのコート種子下2~4cmに過リン酸石灰を10kg/10a施用する直下施肥の生育の促進効果は、ほ場においても認められる(図2、表1)。リン酸含量は生育期間を通じて一定であり、生育促進に伴い生育初期から収穫期のリン酸吸収量が向上する。
  3. 収穫球のリン酸吸収量が施肥リン酸に占める割合を示すみかけのリン酸利用率は、2ヶ年平均で1.7%ポイント向上する(表1)。
  4. 収穫時の球重および規格内収量は、施用リン酸量の1/3から1/4を直下施肥することでリン酸施用量を34~43%減じても減収がみられない(表2)。よって、生育とリン酸吸収が促進され、減収することなく基肥リン酸の30%程度が減肥できる。
成果の活用面・留意点
  1. 直播タマネギの栽培法開発を進める研究機関において技術開発の参考となる。
  2. 寒地のリン酸吸収係数が高い黒ボク土ほ場おいて得られた結果であるが、土壌の可給態リン酸含量が高い場合や他の種類の土壌では検討を要する。
  3. 直下施肥を行う場合に種子と肥料が混合されると出芽に影響が出る可能性があるので種子と肥料との間を2cm程度あけるとともに地域における施肥基準を順守して施用量を決定する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028619
カテゴリ 加工 寒地 直播栽培 施肥 たまねぎ 低コスト 播種

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