自給飼料活用型TMRセンターのTMR製造における費用構造と低コスト化

タイトル 自給飼料活用型TMRセンターのTMR製造における費用構造と低コスト化
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 藤田直聡
久保田哲史
若林勝史
発行年度 2015
要約 自給飼料活用型TMRセンターがTMR製造価格を低下させるためには、製造費用の半分以上を占める購入飼料費の削減が重要となる。その手段として、配合飼料価格が高値条件下では、トウモロコシサイレージの多給、安価な地域の資源の活用が有効である。
キーワード TMRセンター、製造費用、購入飼料費、飼料構成
背景・ねらい 自給飼料活用型TMRセンターを構成する酪農経営(以下、構成農家とする)においては、粗飼料と濃厚飼料を混合して製造するTMRの価格の低下が、所得を増加させるために重要となる。これまで、TMRセンターは、粗飼料生産費用の効率化によって、TMR製造価格の低下を図ってきた。だが、構成農家の高齢化、労働力不足等により、粗飼料生産作業をコントラクターへ委託する事例も現れてきた。この場合、TMR製造価格の上昇が懸念されるため、粗飼料生産費用の低下とは別の方法で、TMR製造価格を低下させる方法を模索する必要がある。本研究では、粗飼料生産作業の大部分をコントラクターに委託する2事例を対象に、TMRの飼料構成と配合飼料価格、TMR製造価格の関係を明らかにし、地域飼料資源の利用等によるTMR製造費用低減の条件を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 自給飼料活用型TMRセンターの作業工程は、サイレージ調製等の「粗飼料生産」とサイロからサイレージ取り出し、濃厚飼料等との混合調製、構成農家への配送等の「TMR調製及び配送」とに大別できるが、TMR製造費用を工程別に見ると、調査した2事例とも後者が前者を上回る。「粗飼料生産」工程のコントラクター委託については、製造費用に占める割合はそれぞれ7.0%、8.2%とさほど大きくないが、「TMR調製及び配送」工程の購入飼料費が占める割合は、それぞれ61.7%、55.1%と大きい(表1)。
  2. TMRの原材料構成を見ると、Aセンターでは2008年以前、配合飼料を多用していたが、2009年以降、地域内で産出され、比較的安価に入手できる澱粉粕を利用し、配合飼料を1日1頭当たり11.6kgから9.0kgへ、圧ぺんトウモロコシも2.1kgから1.3kgへ削減している。Bセンターでは設立当初よりトウモロコシサイレージを多給し、配合飼料の給与量を少量に抑えている(表2)。
  3. TMRの原材料構成をもとに配合飼料価格を変動させて試算してみると、澱粉粕の給与を行っている2009年度以降のAセンターのTMR製造価格は、配合飼料を多用していた2008年以前のAセンターのものを常に下回っている。トウモロコシサイレージの割合が高いBセンターのTMR製造価格も、配合飼料価格がTDN1kg当たり40円以上で、2008年以前のAセンターのものを下回るようになる。過去10年間の配合飼料価格の変動の範囲内では、2009年以降のAセンターとBセンターのTMR製造価格は2008年以前のAセンターのものを下回っていることから、安価に入手できる地域の資源の利用、トウモロコシサイレージの多給等によってTMR価格の低下が可能である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究成果は、北海道のTMRセンターに適用できる。
  2. トウモロコシの生産および澱粉粕等の安価な地域資源の入手可能な自給飼料活用型TMRセンターに適用できる。
  3. 地域資源の入手および活用にあたり、取引費用の考慮を必要とする場合がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028618
カテゴリ 経営管理 コントラクター 低コスト とうもろこし トウモロコシサイレージ 乳牛

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