乳用牛における産次毎の空胎日数と305日乳量との関係

タイトル 乳用牛における産次毎の空胎日数と305日乳量との関係
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 山崎武志
萩谷功一
武田尚人
大澤剛史
山口茂樹
長嶺慶隆
発行年度 2015
要約 妊娠による日乳量の減少は、妊娠120日以降大きくなり、初産次よりも2産次以降で低下が大きい。空胎日数が90日以下の305日乳量は相対的に低く、特に2産次以降で低下が大きいが、空胎日数がそれ以上長くなることによる305日乳量の増加量は小さい。
キーワード 泌乳曲線、305日乳量、妊娠日数、空胎日数
背景・ねらい 乳牛は、出産(分娩)することにより、初めて乳生産が可能となる。日乳量は、分娩後1~2か月でピークに達し、その後緩やかに減少するため、乳牛を適切な間隔で分娩させることで、生涯の乳生産期間において乳量の高い時期が占める割合が高くなり、生涯の乳生産性を高めることができる。乳牛(ホルスタイン種)の妊娠期間は約280日であるため、妊娠期間と空胎日数(DO;Days Open、分娩から妊娠までの日数)を考え、分娩間隔が長くなりすぎないタイミングで妊娠(受胎)させなければならない。一般に、分娩間隔の延長は経済的な損失をもたらすことが指摘されているが、妊娠の進行による日乳量の減少が知られており、分娩後早期の受胎は、乳生産性を下げる可能性がある。そこで、全国の牛群検定記録を用いて、妊娠の進行に伴う日乳量の減少、および様々なDOにおける泌乳曲線(分娩後日数の経過に伴う日乳量の推移)および305日乳量(分娩後305日間の累積乳量)を定量することにより、空胎日数と乳生産性との関係を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 日乳量は、妊娠120日以降大きく減少する(図1)。150日以降の減少量は、初産次よりも2産次以降のほうが大きい。これらの影響により、特に2産次以降において、DOが150日以下の泌乳期間における泌乳後期の日乳量は、DOの短縮に伴い低下する(図2)。
  2. 各産次において、DOが90日以下の泌乳期間における305日乳量は相対的に低い(図3)。DOが長くなるに伴い305日乳量は増加するが、長くなるにつれて増加量は小さくなり、DOが150日~240日における産次内の変化に有意差(P<0.05)はない。また、DOの変化による305日乳量の変化は、初産次よりも2産次以降のほうが大きい。
成果の活用面・留意点
  1. 乳牛の生涯生産性を最大にする分娩間隔を検討するための基礎情報として利用可能である。
  2. 生涯生産性を最大にする分娩間隔は、本成果の結果だけでなく、今産次と次産次との乳量の差、子牛の販売数、授精費用など、生涯生産性に関与する多くの要因を考慮して検討する必要がある。
  3. 全国の牛群検定記録より、2000年から2012年に分娩した初産次約114万頭、2産次約88万頭および3産次約60万頭の分娩記録、泌乳記録を用いて推定した結果である。また、遺伝的能力を補正するため、関係する血縁情報を用いた。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028610
カテゴリ 乳牛

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