ススキとオギの種間雑種を同定するためのDNAマーカー

タイトル ススキとオギの種間雑種を同定するためのDNAマーカー
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 田村健一
眞田康治
小路敦
奥村健治
上床修弘
Kossonou Guillaume Anzoua
Erik J. Sacks
山田敏彦
発行年度 2015
要約 イントロンもしくは単純反復配列周辺に設計したプライマー10組により増幅されるススキとオギそれぞれに種特異的なDNA 断片は、両種間の雑種を同定するためのDNAマーカーとして利用できる。
キーワード ススキ、オギ、種間雑種、DNAマーカー
背景・ねらい ジャイアントミスカンサスに代表されるススキ(Miscanthus sinensis)とオギ(M. sacchariflorus)の三倍体種間雑種は、その高い収量性などからバイオマス資源作物として期待されている。このため、近年両種の種間雑種について交雑による育種ならびに自生遺伝資源の探索が進められている。種間雑種の同定方法としてフローサイトメータによる核DNAの定量が一般的だが、より正確に雑種であることを示すためにはDNAマーカーの利用が有効である。そこでイントロン領域の多型を対象としたDNAマーカーの設計および既存の単純反復配列(SSR)マーカーの選抜により、両種に種特異的な多型を示すDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. イントロン多型を検出するイントロンプライマーは、ソルガムのゲノム配列をイントロンの位置の推定に、サトウキビ発現遺伝子をプライマー配列に利用し設計する。6組のプライマーについて、ススキ45点、オギ38点の多様な遺伝資源(わが国自生個体を中心に中国・韓国自生個体および品種を含む農研機構・北海道大学保存株。倍数性と形態形質により種を分類)のゲノムDNAを鋳型としたPCRを行うと、1組はススキに、5組はオギに種特異的なDNA断片が増幅される(表1)。本成果における「種特異的なDNA断片」とは、当該種で必ず増幅され、他方の種で全く増幅されない、一定のサイズのDNA断片と定義する。
  2. 既報のMiscanthus属で利用可能な4組のSSRプライマーについて、上記遺伝資源のゲノムDNAを鋳型としたPCRをおこなうと、1組はススキに、2組はオギに、1組はそれぞれに種特異的なDNA断片が増幅される(表2)。
  3. 上記の種特異的なDNA断片を増幅するプライマーを用いて、既存のススキとオギの種間雑種についてPCRを行うと、両種に特異的なDNA断片が増幅される(図1および2)。
  4. 以上のことから、今回開発した両種に種特異的なDNA断片を増幅できる複数のプライマーを組み合わせることにより、種間雑種を同定するためのDNAマーカーとして利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. ススキとオギの種間雑種を作出するための交配育種や、ススキおよびオギの自生地周辺における自生雑種の同定に利用できる。
  2. 一部のオギにはススキ由来のゲノムの一部が移入していることが報告されているため、最終的な判定には核DNAの定量を併用することが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028604
カテゴリ 育種 遺伝資源 さとうきび ソルガム DNAマーカー 品種

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