乳用牛の在群性能力の指標となる産次内生存率の開発

タイトル 乳用牛の在群性能力の指標となる産次内生存率の開発
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 佐々木修
西浦明子
武田尚人
佐藤正寛
発行年度 2015
要約 乳用牛の在群性能力を推定するために、変量回帰検定日モデルで解析可能な擬似産次内生存率(PSR)を開発する。PSRの推定育種価による選抜で、現在、最も正確とされる比例ハザードモデルと同程度の、在群期間の改良効果が期待できる。
キーワード 乳用牛、在群性、遺伝的能力評価、生存率
背景・ねらい 乳用牛の在群性の遺伝的能力評価には淘汰記録が必要であるが、測定に数年を要し効率的な改良ができない。そのため、淘汰前でも正確に遺伝的能力を推定できる手法の開発が必要である。現在、そのような推定手法の中で最も正確なものは比例ハザードモデルとされているが、推定方法が煩雑で、高い演算能力を必要とするなどの問題がある。そこで、乳量などの推定に用いられる変量回帰検定日モデルで、在群性能力を推定するための指標を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 乳量などの遺伝的能力評価モデルに用いられている変量回帰検定日モデルで、在群性能力を推定するための、擬似産次内生存率(PSR)を開発し、その有用性を明らかにする。
  2. PSRのデータは、除籍日の前の検定日記録を1、除籍日から搾乳455日目までの牛群の検定日記録を0とする(図1:ケース1)。除籍記録のある産次以降の産次の記録は、欠測値とする。
  3. 除籍記録のない産次の検定日記録は1とし、乾乳日の直前の検定日を打ち切り日とする(図1:ケース2)。その産次の打ち切り日以降の検定日記録は欠測とする。
  4. 搾乳期間が455日を超えて乾乳された場合、搾乳455日目の直前の検定日を打ち切り日とする(図1:ケース3)。
  5. 搾乳期間が455日を超えて除籍された場合、搾乳455日目の直前の検定日を除籍日とする(図1:ケース4)。
  6. PSRは搾乳日数が進むにつれて低下し、産次数が大きいほど低下が大きい(図2)。
  7. 産次を繰り返しとした変量回帰検定日モデルにより推定したPSRの遺伝率は、搾乳日数が進むにつれて高くなり、分娩後365日目に0.038で最も高い(図3)。
  8. 除籍記録を持つ娘牛が30頭以上いる種雄牛の、PSRの育種価の選抜の正確度は、0.4~0.5程度であり、分娩後263~358日に0.53と最も高い。
  9. 除籍記録を持つ娘牛が30頭以上いる種雄牛の、分娩後305日目のPSRの育種価と、比例ハザードモデルによる在群性の育種価間のSpearmanの順位相関係数は0.90である。
成果の活用面・留意点
  1. PSRによる在群性評価値により、比例ハザードモデルと同程度の在群期間の改良効果が期待できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028529
カテゴリ 育種

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