乳用牛における乳脂肪の乳タンパク質に対する比率の産次ごとの遺伝的特性

タイトル 乳用牛における乳脂肪の乳タンパク質に対する比率の産次ごとの遺伝的特性
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 西浦明子
佐々木修
武田尚人
佐藤正寛
発行年度 2015
要約 乳脂肪の乳タンパク質に対する比率(FPR)は遺伝的改良が可能である。FPRは泌乳初期において、初産と経産で遺伝的背景が異なる可能性がある。初産の泌乳初期において、高乳量がエネルギーバランスの悪化に与える影響は、経産牛より大きい可能性がある。
キーワード 乳用牛、エネルギーバランス、乳成分、変量回帰検定日モデル
背景・ねらい 乳用牛において泌乳初期はエネルギー摂取が消費に追いつかず、エネルギーバランスが負に傾く。負のエネルギーバランスは繁殖性の悪化やケトーシス等の代謝障害、乳房炎などの原因となり、生涯生産性の低下を招く。乳脂肪の乳タンパク質に対する比率(FPR)は、泌乳期のエネルギーバランスの指標になるとされている。FPRの値は乳期中に大きな変化を示し、乳期によって遺伝的パラメーターが異なると考えられる。また泌乳形質は初産と経産で異なる遺伝的特性を示すことが知られており、FPRについても産次ごとの遺伝的特性および産次間の遺伝的関係を明らかにする必要がある。そこで、産次ごとの記録をそれぞれ別形質とする多形質変量回帰検定日モデルを用いて、FPRの遺伝的特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. FPRは泌乳初期に高く、中期にかけて減少し、後期にはほぼ一定の値となる(図1)。経産において初産より高い値を示す。
  2. FPRの遺伝率は、初産では乳期を通してほぼ一定で、0.26-0.31の値である(図2)。2産では泌乳初期および泌乳後期に初産より低く、3産では乳期を通して初産より低い。
  3. FPRの産次間遺伝相関は泌乳初期において他の時期より低く、特に初産と経産間で低い値であり、異なる遺伝的要因に支配されている可能性がある(図3)。
  4. FPRと乳量の産次別遺伝相関は初産の泌乳初期において正の値であり、分娩後53日目に負に転じる(図4)。初産の泌乳初期において、高乳量がエネルギーバランスの悪化に与える影響は、経産牛より大きい可能性がある。
成果の活用面・留意点
  1. 乳用牛のエネルギーバランスを改善するための遺伝的評価の基礎情報となる。
  2. 複数産次記録を用いたFPRの遺伝的解析を行う場合、泌乳初期の産次間遺伝相関が低い点に注意する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028528
カテゴリ 繁殖性改善

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