匂わず黄変しないダイコン品種「悠白」と「サラホワイト」

タイトル 匂わず黄変しないダイコン品種「悠白」と「サラホワイト」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2005~2015
研究担当者 石田正彦
柿崎智博
小原隆由
吹野伸子
小堀純奈
畠山勝徳
吉秋斎
寺田保
菊地貴
李積軍
発行年度 2015
要約 「悠白」と「サラホワイト」は加工品の臭いや黄変の原因となる4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレートを含まないF1品種である。「悠白」は漬物原料用に、「サラホワイト」は大根おろし等の生食加工や切り干しの原料用に適する。
キーワード 成分育種、加工業務用、イソチオシアネート、辛味、発色
背景・ねらい 従来のダイコンを加工すると、独特のたくあん臭(大根臭)が生じ、黄色く発色する。近年、この臭いや黄変はフレッシュ感が喪失した特性として一般消費者から敬遠されることが多く、加工品によっては品質低下の大きな要因となっている。そこで、たくあん臭や黄変の元となる4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート(4MTB-GSL)を含まない「だいこん中間母本農5号」(2013年品種登録)を用いて、加工業務用途に適した実用性の高い品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. 「悠白」と「サラホワイト」はDNAマーカー選抜技術を用いて育成した白首のF1品種である(図1)。何れも従来のダイコンに多く含まれるグルコシノレート成分の一種、4MTB-GSLを含まず、グルコエルシンを優占的に含んでいる。総グルコシノレート含量は既存の品種に比べて何れも少なくなっている(表1)。
  2. 「悠白」は肉質が緻密で漬物原料に適している。本品種を原料としたたくあん漬では、たくあん臭や黄変が生じない。
  3. 「悠白」は秋播き秋冬どり作型に適している。「秋まさり2号」に比べると生育がやや緩慢なため、収穫を「秋まさり2号」より数日遅らせることでたくあん漬原料用として必要な根重1,100g以上になる(表2)。
  4. 「サラホワイト」は大根おろしや切り干し等の加工原料に適している。本品種を原料とした大根おろしや切り干し大根では、たくあん臭が生じず、製造後一年間冷凍貯蔵しても黄変しない。
  5. 「サラホワイト」は秋播き冬どり作型に適している。「耐病総太り」に比べると生育が緩慢であるが、す入りは遅く、収穫を「耐病総太り」より遅らせることで加工用原料として必要な1,800g以上になる。また、肉質が硬く、乾物率が高いため、加工適性に優れる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本品種を用いることにより、ダイコン特有の臭いや発色を伴わない新たな加工品の創出が可能である。
  2. 「悠白」は、関東以西の温暖地では9月上中旬に播種し、11月下旬~12月上旬に収穫する作型に適する。
  3. 「悠白」は根部を肥大させすぎるとす入りが生じやすいことから、根重1,000~1,200g程の適期に収穫する。
  4. 「サラホワイト」は、関東以西の温暖地では9月上中旬に播種し、11月下旬~1月上旬に収穫する作型に適する。
  5. 両品種ともに遅播きすると生育が著しく遅延することから、適期播種に努める。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028502
カテゴリ 育種 加工 加工適性 だいこん DNAマーカー 播種 品種

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