変異型のWx遺伝子を持つ小麦系統におけるアミロース含量の段階的な低減

タイトル 変異型のWx遺伝子を持つ小麦系統におけるアミロース含量の段階的な低減
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究課題名
研究期間 2012~2015
研究担当者 山守誠
発行年度 2015
要約 突然変異の誘発や遺伝資源に見出された5つの変異型Wx遺伝子(Wx-A1c-A1i-D1f-D1g-D1h)を持つ小麦系統の澱粉あたりのアミロース含量は、およそ23%~数%までの範囲で段階的に減少する。
キーワード 小麦、澱粉、アミロース、変異Wx遺伝子
背景・ねらい 小麦澱粉のアミロース含量は加工適性や製品の食感に影響し、様々なアミロースの小麦はその影響程度を明らかにする上で有用である。アミロースはWx遺伝子がコードする酵素Wxタンパク質により合成され、この遺伝子が変異し、酵素の機能が低下すると、アミロースは減少する。小麦の野生型遺伝子Wx-A1a-B1a-D1aと欠損型-A1b-B1b-D1bの組み合わせの中ではWx-A1a-B1b-D1bがモチの次にアミロースが少ない。一方、遺伝型Wx-A1b-B1b-D1aの「関東107号」に突然変異を誘発したWx-D1hを持つ「小麦中間母本農7号」、-D1 fを持つ「小麦中間母本農8号」、-D1gの「K107Afpp4」は親系統に比べて、アミロースが減少する。また、遺伝資源に見出されたWx-A1cまたは-A1iを持つ系統は-A1aの系統に比べてアミロースが減少する。そこで、これらの系統のアミロース減少程度を比較するとともに、二つの変異遺伝子を組み合わせた新たな系統「Wx-A1i+-D1f」と「Wx-A1c+-D1f」を選抜し、アミロース含量を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 小麦系統のアミロース含量はおよそ次の順で減少する。「Wx-D1a」(遺伝子型、Wx-A1b-B1b-D1a)>「Wx-A1a」(Wx-A1a-B1b-D1b)>「中間母本農7号」(Wx-A1b-B1b-D1h)>「K107Afpp4」(Wx-A1b-B1b-D1g)>「Wx-A1c」(Wx-A1c-B1b-D1b)>「Wx-A1i」(Wx-A1i-B1b-D1b)>「中間母本農8号」(Wx-A1b-B1b-D1f)>「もち」(Wx-A1b-B1b-D1b)(図1)。このうち、「Wx-A1c」と「Wx-A1i」の間のアミロース含量の差異が比較的大きい。
  2. 二つの変異遺伝子を組み合わせた系統「Wx-A1i+-D1f」(遺伝子型、Wx-A1i-B1b-D1f)のアミロース含量は「Wx-A1c」より少なく、「Wx-A1i」より多い。また、「Wx-A1c+-D1f」(Wx-A1c-B1b-D1f)のアミロース含量は「Wx-A1a」と「Wx-A1c」の中間にある(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 変異Wx遺伝子型から小麦系統のアミロース含量の推定や調節が可能となる。
  2. 遺伝的背景が異なったり、アミロース含量の差が小さい場合、系統間で順位が入れ違うことがありうる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028449
カテゴリ 遺伝資源 加工適性 小麦

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