ダイコン‐サツマイモ畦連続使用有機栽培体系の収益性及び環境負荷の評価

タイトル ダイコン‐サツマイモ畦連続使用有機栽培体系の収益性及び環境負荷の評価
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2015
研究担当者 房安功太郎
発行年度 2015
要約 南九州畑作経営において収益性と環境負荷を評価できる営農計画モデルを構築し、ダイコン‐サツマイモ畦連続使用有機栽培体系の導入効果を評価すると、農業所得は向上し、経営レベルでの農薬使用量、エネルギー消費量、窒素収支は減少する。
キーワード 南九州畑作、有機栽培、収益性、環境負荷、営農計画モデル
背景・ねらい 南九州の畑作経営では、収益性の確保とともに農薬や肥料の使用の少ない持続的な農業生産が求められている。そこで本研究成果では、南九州畑作の主要営農類型の一つであるサツマイモ‐野菜‐水稲の複合型家族経営を対象に、ダイコン‐サツマイモ畦連続使用有機栽培体系(以下有機栽培体系)の収益性と環境負荷を経営レベルで評価する。環境負荷の指標は経営レベルでの農薬使用量、エネルギー消費量、窒素収支とし、窒素収支は総窒素施用量と収穫物として搬出される総窒素量との差とする。
成果の内容・特徴
  1. 有機栽培体系は、畦の連続使用による春ダイコンとサツマイモの二毛作体系であり、収益性の向上に加え、殺虫剤や化石燃料の使用量の削減等が期待される(図1)。
  2. 事例経営の慣行栽培の各作物と有機栽培体系の10aあたり環境負荷量と収益性は表1のとおりである。有機栽培体系の春ダイコンは高収益であるが作業労働時間が多い。また、慣行サツマイモ単作と比較し有機栽培体系二毛作の農薬使用量、エネルギー消費量は少ない。
  3. 事例経営の労働力と経営面積を制約条件とする畑作経営の営農計画モデルを構築し、有機栽培体系の導入効果を評価すると、現状より作付延べ面積は減少するが(図2)、農業所得は増加し、農薬使用量、エネルギー消費量、窒素収支は減少する(図3)。窒素収支の減少は作付延べ面積の減少によるものであり、農薬、エネルギー使用量の減少は有機栽培体系による面積あたり使用量の低減と、作付延べ面積の減少によるものである。以上から、有機栽培体系の導入により農業所得の向上とともに経営体あたりの環境負荷を低減できる。
成果の活用面・留意点
  1. ダイコン-サツマイモ畦連続使用有機栽培体系の収益性と環境負荷を定量的に示した成果であり、同有機栽培体系を営農現場へ導入する際の参考情報となる。
  2. 事例経営は家族3人で畑10.0ha、水田5.5haを経営し、焼酎原料サツマイモ10.0ha、主食用水稲4.0ha、ジュース加工用人参50a等を作付けする。
  3. 農薬使用量は事例経営の殺虫剤と除草剤の10aあたり使用量の合計値である。エネルギー消費量は燃料1Lあたりエネルギー消費量(日本国温室効果ガスインベントリ報告書)に事例経営の各作物10aあたり燃料使用量を乗じたものである。
  4. 事例経営では畦連続使用栽培によりサツマイモの線虫害を軽減し、殺虫剤を使用せずにサツマイモを生産しているが、線虫害の軽減効果は圃場の線虫密度等により異なる。線虫害の軽減効果についてはSuzuki T. et al. (2014) Nematol. Res. 44 (1):1-8等を参照。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028428
カテゴリ 加工 経営管理 栽培体系 除草剤 水田 だいこん 二毛作 農薬

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