RT-LAMP法と粘着トラップを用いたウリ類退緑黄化ウイルス保毒の判別

タイトル RT-LAMP法と粘着トラップを用いたウリ類退緑黄化ウイルス保毒の判別
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2015
研究担当者 奥田充
発行年度 2015
要約 タバココナジラミから簡易抽出したRNAを鋳型としてRT-LAMP法によりウリ類退緑黄化ウイルスを検出できる。黄色粘着トラップに捕捉後最長14日間経過したタバココナジラミからも本ウイルスを検出することができる。
キーワード ウリ類退緑黄化ウイルス、RT-LAMP法、タバココナジラミ、黄色粘着トラップ
背景・ねらい ウリ類退緑黄化ウイルス(CCYV)は、タバココナジラミにより媒介されるウイルスであり、メロン、キュウリおよびスイカに葉の激しい黄化ならびに果実品質および収量の低下を引き起こす。本ウイルス病の発生リスクを把握するためには、栽培地におけるタバココナジラミの発生量と保毒率の調査が有効である。そこで、黄色粘着トラップに捕捉されたタバココナジラミからreverse transcription Loop-mediated isothermal amplification(RT-LAMP)法を用いたDNA増幅によりCCYVを検出する手法を開発し、タバココナジラミの発生量とCCYV保毒率を同時に調査できる技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. CCYVの70kDa熱ショックタンパク質(HSP70h)遺伝子領域を特異的に増幅するプライマー(九州沖縄農業研究センター2010年成果情報)を用いて、タバココナジラミから抽出したRNAを鋳型としてRT-LAMP法を行うと、CCYVを保毒するタバココナジラミからのみ陽性反応であるDNA増幅が見られる(図1)。
  2. 簡易法として、タバココナジラミをマイクロチューブ内で100μlのRNAsecure(Thermo Fisher Scientific)とともにペッスルで摩砕し、65℃で5分間熱処理した溶液1μlを鋳型とすることができる。この抽出液は、蒸留水を用いて摩砕した場合より保存性が高く、37℃で24時間放置後もCCYVを検出できる(表1)。
  3. 黄色粘着トラップに捕捉されたタバココナジラミをつまようじ等で一頭ずつ採取し、上述の抽出溶液を鋳型としてRT-LAMP法を行うことでCCYVの保毒が判別できる。粘着トラップに捕捉後最長14日間経過した保毒タバココナジラミからCCYVが検出できる(図2)。捕捉7日後以降のサンプルは、トラップ捕捉直後と比較して抽出溶液中のCCYV濃度が低くなっているが、保毒虫の判別には問題ない。
成果の活用面・留意点
  1. RT-LAMP法によるCCYVの検出に用いるプライマー配列や試薬等については、九州沖縄農業研究センター2010年成果情報「チューブキャプチャーLAMP法によるウリ類退緑黄化ウイルスの簡易迅速な感染診断」を参照すること。また、検出に必要な試薬が含まれるキットが「ウリ類退緑黄化ウイルス検出キット」としてニッポンジーン社より市販されている。
  2. RNAsecureを用いた簡易抽出溶液にはDNAも含まれているため、PCR等によるタバココナジラミのバイオタイプ判別の鋳型としても利用可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028419
カテゴリ きゅうり すいか タバココナジラミ メロン

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