生産現場での肥育豚への玄米および甘藷残さの給与はトウモロコシの代替となる

タイトル 生産現場での肥育豚への玄米および甘藷残さの給与はトウモロコシの代替となる
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2013~2015
研究担当者 石田藍子
芦原茜
勝俣昌也
発行年度 2015
要約 養豚の生産現場において、肥育後期豚への飼料用玄米と干し芋加工残さまたは芋ようかん残さの併給は、トウモロコシ主体飼料給与の豚と遜色のない飼養成績で、トウモロコシ主体飼料給与の豚とは背脂肪の脂肪酸組成が異なる特色のある豚肉を生産できる。
キーワード 肥育豚、甘藷加工残さ、飼料用玄米
背景・ねらい 肥育豚の飼料として国産飼料原料をより多く給与することは、食料自給率を高めるために重要である。一方、甘藷の生産地や加工地においては甘藷残さの有効な利用法が期待されている。輸入飼料(トウモロコシ)の代わりに国産飼料原料として飼料用玄米と規格外甘藷を肥育豚へ給与する飼養実験では、トウモロコシ主体飼料と比較して日増体重に差が無く、また、背脂肪内層の脂肪酸組成が異なる豚肉が得られた(畜産草地研究所内)。甘藷生産地や加工地の地域資源である甘藷残さのさらなる活用を図るため、養豚生産者の一般的な飼養管理下で肥育豚へ飼料用玄米と甘藷加工残さの給与法と豚の背脂肪の脂肪酸組成が異なる特色のある豚肉を生産できることを実証する。
成果の内容・特徴
  1. 甘藷加工残さとして加熱後の干し芋残さのサイレージ、または生の芋ようかん残さのサイレージ、併給する飼料用玄米として1.5mm以下に粉砕した「モミロマン」を調製する。肥育後期豚(LWD交雑種、65kgから120kg)にトウモロコシ主体飼料(対照区)と飼料用玄米および甘藷加工残さを主体とした飼料(玄米・甘藷区)を給与し(各10頭、1豚房)、飼料は加水してリキッド飼料として給与する(表1)。
  2. 飼料給与開始から終了までの玄米・甘藷区の日増体重は対照区と遜色なく、歩留まりおよびロース芯面積に給与飼料の影響が見られなかったことから、甘藷加工残さサイレージと飼料用玄米の組合せはトウモロコシの代替の飼料原料として使用できる(表2)。
  3. 玄米・甘藷飼料の給与により生産された豚肉の背脂肪の脂肪酸組成は、トウモロコシ主体飼料で生産されたものに比べてオレイン酸の割合が高く、リノレン酸の割合が低い特色を持つ(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:養豚生産者、甘藷生産者および甘藷加工業者
  2. 普及予定地域:茨城県(甘藷作付け面積6660ha)他の甘藷生産地
  3. その他:茨城県内の一部の養豚生産者では、甘藷加工残さを飼料に利用。輸入原料の価格が高い条件では、飼料費を低く抑えられる。期間中の1頭あたりの飼料費(飼料価格×飼料摂取量)は、玄米・甘藷区がトウモロコシ主体飼料を給与した対照区に比べて、干し芋加工残さの給与で398円高く(H25)、芋ようかん残さの給与で603円安い(H26)。飼料用玄米は、粒度によって消化性に影響するため、配合にあたっては留意が必要である。背脂肪の脂肪酸組成および脂肪融点のトウモロコシ主体飼料との差の生じ方の程度は、飼料の脂肪酸組成により変わる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028385
カテゴリ 加工 飼育技術 飼料用作物 とうもろこし

この記事は