麦茶用炒麦に含まれるアクリルアミドの実態

タイトル 麦茶用炒麦に含まれるアクリルアミドの実態
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2009~2015
研究担当者 水上裕造
小野裕嗣
吉田充
伊佐川聡
山崎久美子
発行年度 2015
要約 炒麦に含まれるアクリルアミド含有量の範囲は0.05 mg/kgから0.41 mg/kg、平均値は0.24 mg/kgである。丸粒形態の炒麦では、煮出す時間が長いほど浸出液に含まれるアクリルアミド濃度が増加する。炒麦を常温で保管すると、アクリルアミド含有量は減少する。
キーワード アクリルアミド、炒麦、リスク管理、麦茶
背景・ねらい アクリルアミドは高温で加工した様々な食品に含まれ、長期間の摂取による健康への悪影響が懸念されている。国際的なリスク評価機関は、食品中のアクリルアミド濃度を低くするための努力を続けるべきであると勧告している。適切なリスク管理のためには、実態を把握し、低減対策の技術開発や有効性を検討する必要がある。 麦茶は主に止渇飲料として摂取され、コーヒーやほうじ茶と同程度の濃度のアクリルアミドが含まれるので、浸出液を麦茶として飲用する炒麦に含まれるアクリルアミド含有量の実態を把握するとともに、炒麦から浸出液へのアクリルアミドの移行についても調査する。さらに、加熱後の保管中のアクリルアミド含有量の変化が示唆されるため、同様に調査する。
成果の内容・特徴
  1. 炒麦商品のマーケットシェアの約7割を占める製造業者(2008年食品マーケティング便覧 No. 5、富士経済)、加工業者、全国展開している小売店から入手した麦茶用の炒麦商品(n = 45)のアクリルアミド含有量の範囲は0.05 mg/kgから0.41 mg/kg、平均値0.24 mg/kg、標準偏差0.08 mg/kgである(図1)。
  2. 丸粒形態の炒麦では、煮出す時間が長いほど浸出液に含まれるアクリルアミド濃度が増加する。また、煮出した後、炒麦を取り除かないでそのまま置いても、浸出液中のアクリルアミド濃度は増加する(図2)。丸粒形態、ティーバッグ形態の炒麦商品をパッケージに記載されている方法で浸出させると、炒麦に含まれるアクリルアミドの80%以上は浸出液へ移行する。
  3. 同じロットの炒麦から製造された丸粒商品とティーバッグについて、アクリルアミド含有量の均一性について調べたところ、丸粒商品の袋内差は、相対標準偏差(RSD)で表すと2.6%、袋間差4.1%、ティーバッグ商品の袋内差3.1%、袋間差3.7%である。これらの炒麦商品を常温で保管するとアクリルアミド含有量は減少するが、丸粒と粉砕された炒麦を含むティーバッグとでアクリルアミド含有量の変化に大きな差はない(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:行政部局、事業者、検査機関
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:示されたデータは、行政機関が行うリスク評価およびその結果に基づいたリスク管理において利用され、リスク低減のための施策の実行可能性等の検討、適切な政策・措置を行うために利用される。また事業者は工程改善による製品中のアクリルアミド低減に取り組むための基礎資料として使用する。
  3. その他:保管中のアクリルアミド含有量の減少理由は明らかでないため、アクリルアミドの酸化物など他の危害要因の増加を伴っていないか確認が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028378
カテゴリ 加工 麦茶

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