親潮および混合域におけるメソ動物プランクトン群集の季節変動

タイトル 親潮および混合域におけるメソ動物プランクトン群集の季節変動
担当機関 (国)水産総合研究センター 東北区水産研究所
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 田所和明
発行年度 2015
要約 A-lineモニタリング定線上でメソ動物プランクトンの群集構造の季節変動を種レベルで調べた。種組成をクラスター分析した結果、親潮と混合域群集に区分することが出来た。親潮では大型のカラヌス目のカイアシ類が増えることで、5月と7月に現存量が大きく増加した。一方、混合域でも春に大型のカラヌス目のカイアシ類が増えることで現存量が大きく増加したが、夏以降にはそれらは大きく減少した。
背景・ねらい 親潮および混合域はマイワシ、サンマ、スケトウダラなどの主要な水産資源が生育場となっている。これらの水産資源は変動にする事が知られており、これに餌料プランクトンが係っている事が指摘されている。従って水産資源の変動を考えるには、餌料プランクトンについて調べる必要がある。そこで本研究では、これらの群集構造の季節変動に種レベルで調べた。
成果の内容・特徴 A-line上で得られた試料のなかで今回は解析が完了した2010年から2013年の結果を用いた。種組成から観測点毎にクラスター分析を行った結果、いずれの月も親潮、混合域群集の二つに区分することができたため、これらについて月毎に4年間の平均値を求めた。主要な種の季節変動をみると、親潮では1月から7月の間は大型のカラヌス目が多くを占めた。そのなかで1月から3月まではNeocalanus flemingeriN. cristatus、 Metiria PacificおよびM. lucensが多く見られた。5月と7月では大型のカイアシ類であるN. plumchrusEulalanus bungiiおよびP. newmaniが増加した。10月にも引き続きP. newmaniは多く出現したその他に、大型のカラヌス目の種である、Calanus pacificus、小型で暖水性のカイアシ類であるCtenocalanus vanus、ウミタル類のD. nationalsが多く出現した。混合域でも1月から3月までは、概ね親潮と同様の種が多く見られた。5月も親潮と同様にE. bungiiN. plumchrusが多く出現したが、C. vanus、Mesoclansus tenuicomisD. nationals等が多く出現した。7月にはC. vanusClausocalanus prapargencsの他、尾虫類2種、枝角類1種が多く出現した。10月には小型の暖水性のカイアシ類である上位を占めた。
成果の活用面・留意点 動物プランクトンは多様な種を含み、その生態は種によって大きく異なるため、水産資源の餌としての重要性も種によって異なる。しかし、これまでは一括りにして議論されることが多かった。今回、詳細な群集構造を明らかにしたことで、水産資源との関係をより詳しく検討することが可能となる。さらに水産資源の変動を予測するための生態系モデルの精度向上にも寄与すると考えられる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028309
カテゴリ 季節変動 モニタリング

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