貯蔵中に糖濃度が上昇するオイルパーム伐採木の簡易選別法

タイトル 貯蔵中に糖濃度が上昇するオイルパーム伐採木の簡易選別法
担当機関 (国)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 小杉 昭彦
荒井 隆益
韮澤 悟
Zubaidah Aimi Abdul Hamid
Othman Sulaiman
Rokiah Hashim
発行年度 2015
要約 貯蔵により樹液の糖濃度が上昇するオイルパーム伐採木を簡便に特定するため、伐採幹の切断面にヨウ素溶液を噴霧する。噴霧した箇所の色の瞬時の変化で貯蔵により糖濃度が上昇するパーム幹を迅速に識別することが出来る。
キーワード オイルパーム幹, 伐採, 樹液
背景・ねらい パーム幹伐採後、貯蔵により樹液中の糖濃度が大きく増加するという現象を発見した(平成20年国際農林水産業研究成果情報第16号、特開2009-254311)。この発見は、バイオエタノール製造の際、高コスト化の最大要因である低糖濃度による濃縮エネルギー投入と収支を大きく改善できる。すなわち貯蔵により、低糖度では資源価値の低い樹液を、貯蔵によりサトウキビジュースのような高糖度の樹液へ変換出来る。この糖濃度上昇の現象は、パーム幹中の澱粉濃度に依存している。高澱粉濃度のパーム幹は、必ず貯蔵により糖濃度の上昇が認められるが、反対に低澱粉濃度では糖度上昇は生じないことを明らかにしている。一方、パーム幹の外観からでは澱粉濃度は識別不可能であり、貯蔵工程をすべきか否か、伐採現場又は貯蔵現場において作業員が簡易にかつ迅速に判断を行えるような選別方法が必要となる。
成果の内容・特徴
  1. 伐採パーム幹の澱粉濃度の判定に調べるため、ヨウ素0.1N標準溶液を蒸留水で4倍希釈し、パーム伐採木の切断面にスプレーにより噴霧した。2本の伐採パーム幹のうち高澱粉濃度(46.8 %)のパーム幹の切断面は、ヨウ素液噴霧によりヨウ素デンプン反応を示し瞬時に紫色に染色された(図1A)。一方、低澱粉含有パーム幹(7.1 %)の切断面は噴霧したヨウ素の原色(オレンジ)のままであった(図1B)。
  2. これらパーム幹を使った貯蔵試験では、伐採直後の高澱粉含有パーム幹の樹液中の糖濃度(グルコース、スクロース、フルクトース量の総量)は平均5.0%(w/v)であったが、25日間の貯蔵により樹液中の糖濃度は平均16.0%(w/v)まで上昇した(図2)。一方、低澱粉含有パーム幹の伐採直後の樹液中の初発糖濃度は平均5.1%(w/v)であったが、貯蔵による樹液中の糖濃度上昇は認められなかった。
  3. これらの結果から伐採パーム幹へのヨウ素溶液の噴霧は、現場作業員が貯蔵工程をすべきか否か瞬時で判断できる簡便な方法である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 通常、オイルパーム幹中の澱粉濃度は、地上から最も離れた上部で高く、下部に行くに従い低くなる傾向を持つ。従って伐採後のパーム幹は、上部、下部の切断面両方にヨウ素液を噴霧し澱粉濃度を確認することが好ましい。
  2. 本成果は、貯蔵により伐採後のパーム幹中の糖濃度を上昇させる樹液採取方法(特開2009-254311)と一緒に活用する。
  3. これまでの貯蔵試験の結果から、搾汁するまでの貯蔵日数は15日~30日間が適当である。
  4. 噴霧後の紫色は時間と共に退色するが、再度ヨウ素溶液を噴霧することで迅速に識別できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028259
カテゴリ コスト さとうきび

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