微酸性電解水を用いた豆類スプラウトの生産性向上

タイトル 微酸性電解水を用いた豆類スプラウトの生産性向上
担当機関 (国)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 辰巳 英三
韮澤 悟
劉 瑞
劉 海傑
発行年度 2015
要約 豆類の種子を微酸性電解水で処理すると、殺菌効果があるだけでなく、種子の発芽率が向上し生長も促進されるため、スプラウトの生産性が向上する。
キーワード 微酸性電解水, スプラウト, 豆類, 発芽, 生長
背景・ねらい スプラウトとは、もやしに代表される発芽野菜または新芽野菜の総称であり、近年その需要が世界的に伸びている。スプラウトは栄養豊富で容易に生産できる一方、発芽過程において温暖かつ湿潤状態に保つ必要があることから、食中毒の原因微生物等による汚染の危険性が高い。そのため、スプラウト生産における衛生管理は重要であり、原料種子の洗浄・殺菌は特に重要な工程の一つである。そこで、強力な殺菌活性を有するが残留性や毒性がない酸性電解水に着目した。酸性電解水は、我が国において平成26年3月に次亜塩素酸水(塩酸又は塩化カリウム水溶液を電解して得られるものに限る)の名称で特定農薬に指定されている。近年、酸性電解水は病害予防に効果があるだけでなく、植物の発芽や生長に影響を与えることが報告されている。そこで、電解水処理が豆類種子の発芽や生長に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. pH 5.0~6.5、有効塩素濃度 (ACC) 10~30ppmの微酸性電解水は、規定に従い、希釈した塩酸を無隔膜電解槽で電解して調製した。水道水で洗浄した原料種子を微酸性電解水に10時間浸漬し、微酸性電解水を散布しながら発芽させると、大豆種子の発芽率が向上する(図1)。
  2. 微酸性電解水で浸漬処理することによって、大豆スプラウトの生長も促進される。原料種子を水道水で浸漬処理し、発芽後の栽培水で微酸性電解水を用いても成長促進効果がある。浸漬水あるいは栽培水単独で微酸性電解水を用いても効果があるが、併用することが望ましい(図2)。
  3. 大豆種子の発芽率向上と大豆スプラウトの成長促進は、使用する微酸性電解水のpHや有効塩素濃度で異なる効果がある。大豆の場合、pH 6.5、有効塩素濃度15ppmの微酸性電解水を用いると効果が大きい(図3)。
  4. 緑豆についても同様の効果があり、有効塩素濃度10ppm以上の微酸性電解水で8時間浸漬し、同じ微酸性電解水で栽培することにより、発芽率が向上し、スプラウトの成長も促進される(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 酸性電解水は、各種の病原細菌、食中毒菌、ウイルスに幅広く強い殺菌活性を有するため、医療、歯科、食品、農業など多様な分野で利用されている。
  2. 微酸性電解水処理によって、抗酸化酵素活性が変化して過酸化水素含有量も減少することから、種子の発芽率向上と成長促進効果は酸化ストレスが一因であると推察できる。
  3. 豆類以外のスプラウトに対しても同様の効果が期待できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028257
カテゴリ 大豆 特定農薬 もやし

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