倒伏による玄そばへの放射性セシウムの混入と収穫後の調製による低減対策

タイトル 倒伏による玄そばへの放射性セシウムの混入と収穫後の調製による低減対策
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2012~2014
研究担当者 久保堅司
小林浩幸
根本和俊
平山孝
松波寿弥
市橋康弘
太田健
慶徳庄司
信濃卓郎
発行年度 2015
要約 倒伏したそばから収穫された玄そばでは、土壌等の混入・付着が放射性セシウム(Cs)濃度を高める要因となる。土が付着した玄そばに対して風選だけでなく磨きを行うことで、放射性Cs濃度を低減できる。
キーワード そば、放射性セシウム、倒伏、収穫後調製、移行低減
背景・ねらい 2011年3月の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射性セシウム(Cs)の影響を受けた地域では、土壌から作物への放射性Csの移行を低減するため、カリ肥料の増施対策がとられている。一方で、倒伏したそばを収穫した際の土壌の混入や付着が、玄そばの放射性Cs濃度に影響している可能性が指摘されている。そこで、そばの倒伏が玄そばの放射性Cs濃度に及ぼす影響を解析し、収穫後の調製による低減効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 農家圃場での2012年産秋そばの調査において、倒伏と玄そばの放射性Cs濃度との関係をみたところ、倒伏した圃場はしなかった圃場よりも、玄そばの放射性Cs濃度が高い(表1)。
  2. 現地圃場試験でも、倒伏したそばから得られた玄そばは倒伏のないそばから得られた玄そばよりも脱穀・風選後の放射性Cs濃度が高い(図1)。
  3. 倒伏で玄そばに混入・付着した土壌等が放射性Cs濃度を高める要因となっており(図2)、磨きにより玄そばに混入・付着した土壌粒子等が除かれ、放射性Cs濃度が低減できる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:行政機関、農業研究機関、農業技術普及指導機関、製粉業者、生産者。
  2. 普及予定地域:比較的土壌中放射性Cs濃度が高い地域など(岩手・宮城・福島・栃木の2013年の吸収抑制対策実施面積は2,400 ha)。
  3. その他:現地圃場試験の玄そばの磨きには、玄そばが回転するブラシを通過することで磨かれる仕組みの機器(丸七製作所製F1)を用いた。磨き作業は、玄そばを少量ずつ機器に流し込むことに留意して行った。土壌の交換性カリ含量が30 mg K2O/100gよりも低い圃場では、玄そばの放射性Cs濃度はそばの経根吸収により高まる。吸収により玄そばに蓄積した放射性Csは磨きで低減できないことから、土壌の交換性カリ含量を高める吸収抑制対策は必須である。また、倒伏を抑制するための栽培(裁植密度、品種選定等)を心掛ける。2014年1月に農林水産省が公表した「放射性セシウム濃度の高いそばが発生する要因とその対策について~要因解析調査と試験栽培等の結果の取りまとめ~(概要 第2版)」には、玄そばの放射性Csの低減に関する総合的な情報が掲載されている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028202
カテゴリ そば 品種

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