雑草種子を駆除し翌年の雑草を大幅に減らす自走式蒸気処理防除機

タイトル 雑草種子を駆除し翌年の雑草を大幅に減らす自走式蒸気処理防除機
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2015
研究担当者 浅井元朗
西村愛子
黒川俊二
澁谷知子
中村浩也
松井良共
高山英行
服部浩
吉原元
加藤優来
大久保慎二
千嶋英明
岩石真嗣
酒井長雄
青木政晴
土屋学
原田良太
中沢克明
石田義樹
木田揚一
遠藤征馬
船生岳人
発行年度 2015
要約 自走式蒸気処理防除機JJ7は作物収穫後耕起前の圃場地表面に過熱水蒸気を噴射して走行し、地表面の雑草種子を死滅または休眠打破させることで、次作の雑草密度を大幅に減少させる。圃場作業効率は約50分/10 a、灯油を50~60 L/10 a消費する。
キーワード 自走式蒸気処理防除機、過熱蒸気、難防除雑草、有機栽培、種子駆除
背景・ねらい 有効な防除手段のない難防除雑草や漏生作物のまん延による被害が拡大しており、その防除技術が求められている。また、有機栽培やマイナー作物では農作業に占める除草時間の割合が高いことが規模拡大を阻害しているため、除草労力の軽減が求められている。作物収穫後の雑草種子を駆除し、次作の雑草を減少させる蒸気防除は上記課題に対する汎用的な対策技術と期待される。H24年よりレンタル利用が行われている従来機と比較して作業性の向上した自走式蒸気処理防除機を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 作物収穫後耕起前の圃場を蒸気処理で瞬間的に加熱すると,次年度の雑草の主たる発生源である地表面の当年産雑草種子の大半が死滅あるいは休眠打破され、無処理に対して雑草種子量が減少する結果、次作の雑草密度が大幅に減少する(表1)。
  2. 蒸気処理防除機JJ7は、圃場運搬機に水タンク(容量700 L)とボイラ(伝熱面積3.5 m2)を搭載している。ポンプで給水した用水をボイラで加熱して発生させた過熱水蒸気(最高370°C)を、運搬機後部に連結した蒸気フード内のインジェクタから地表面に噴出しながら走行する(図1)。
  3. JJ7による作物収穫後圃場1.0 km/hの走行で地表面最高温度は瞬間的に約100°Cに上昇し、前型のJJ-5.0と比較して1.2~1.7倍速走行で同等以上の加熱効果があり(図2)、地表面種子の死滅効果も同等以上である。
  4. JJ7は標準速度で2時間、20 aを連続走行できる。JJ-5.0と比較して作業性が改善され、約50分/10 a、60 a~1ha/日で圃場処理効率は2倍以上の作業効率がある。JJ7は10 aあたり灯油50~60 L、水350 Lを消費し、10 aあたりの燃料費は約5,000円である(表2)。
  5. JJによる加熱は地表面に限られるため、多年生雑草の地下部栄養繁殖器官の死滅効果はない。一方、土中の生物相への影響もほとんどない。(データ略)
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:有機栽培、採種圃場、難防除雑草の被害地域および除草剤登録の少ないマイナー作物などの生産者組織。
  2. 普及予定地域:全国(積雪期間を除く)
  3. その他: JJ7は2016年度からレンタル利用および受注生産を開始予定。レンタル費用等の問い合わせ窓口は(株)丸文製作所メンテナンス窓口 0120-471-978(平日8:00~17:00)。JJ-5.0は2013年からレンタル利用実施。
  4. 本機の操作にボイラ取扱作業資格は不要で、操作方法、故障時の対応等は機体付属の操作マニュアルに記載されている。オペレータ1人の他に給水補助者を要する場合がある。本機の圃場付近への輸送には3t車を用いる。用水、灯油、ボイラ点火および水ポンプ用発電機のガソリン、車体動力用の軽油を使用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028171
カテゴリ 規模拡大 雑草 除草 除草剤 難防除雑草 繁殖性改善 防除 輸送

この記事は