高糖分WCS用稲を微細断し高密度輸送・サイロ調製する収穫体系

タイトル 高糖分WCS用稲を微細断し高密度輸送・サイロ調製する収穫体系
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 高橋仁康
大谷一郎
大島一修
後藤裕司
山本直幸
岡嶋弘
北中敬久
中内希衣
辻森雄
藤長渉
竹村洋輔
福田博
久住大地
小林優史
中山有三
横溝功
西野直樹
岸本一郎
河野幸雄
城田圭子
福馬敬紘
神田則昭
蔵崎哲治
発行年度 2015
要約 高糖分WCS用稲「たちすずか」などを長稈対応微細断収穫機(ワゴンタイプ)で収穫し、ダンプトラックで飼料基地や牧場まで高密度輸送し、バンカーサイロなどで調製する体系により、片道輸送時間20分~30分の近距離輸送条件でコストが削減できる。
キーワード WCS用稲、たちすずか、長稈対応微細断収穫機、バンカーサイロ、低コスト
背景・ねらい 中山間地域の水田を守り、畜産農家へ安全な国産飼料を安定供給する稲WCS(ホールクロップサイレージ:茎葉と籾を細断して密封し発酵させて牛の粗飼料とする)生産への取り組みが行われているが、なお一層の低コスト化が求められている。 そこで、圃場においてロールベールを調製しトラックで輸送する慣行のWCS用稲専用収穫機体系に対して、畜産農家から需要の高いWCS用稲「たちすずか」の高糖分を活かし、慣行の約1/5の理論切断長で微細断して高密度輸送し、飼料基地や牧場でのバンカーサイロ調製を組み込んだ低コスト収穫・調製体系を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 微細断収穫・調製体系は、長稈対応微細断収穫機(ワゴンタイプ)により理論切断長6 mmでWCS用稲を収穫・細断してワゴンに貯留後、トラックへ荷移しして高密度輸送し、飼料基地や牧場でバンカーサイロやロールベールに調製することができる。サイロがない場合でも簡易サイロを製作して調製が可能である(図1)。
  2. 長稈対応微細断収穫機および本体系は、「たちすずか」などの長稈多収なWCS用稲に対応しており、飼料用トウモロコシ、ソルガム類、エン麦などの作物でも同様に作業できる。また、貯留したワゴンから直接トラックの荷台へ荷移しするため収穫物に土が付着せず、クローラ走行部により湿田でも作業が可能である(図1)。
  3. WCS用稲の収穫・調製コストが慣行体系より削減できる条件は、ロールベール調製する場合、収穫面積50 ha、収穫機2台、ベールラッパ一体型細断型ロールベーラ1台などを利用する大型機械体系となり片道約20分以内の近距離輸送に限られる。すべてをバンカーサイロ調製する場合は、収穫面積25ha、収穫機1台の最小機械体系となり、片道約30分以内の条件となる。いずれも輸送距離が近いほどコストが低下する(図2、図3)。
  4. 図2の結果より、大規模モデルの実施例として、複数圃場からTMRセンターなどの飼料基地へ輸送してバンカーサイロ調製とロールベール調製を併用する場合、サイロ調製の割合が大きいほどコストが低下し輸送可能範囲が広がる。中山間地域に対応する中小規模モデルの実施例として、飼料生産地域から片道30分以内の複数の中小規模農家へ輸送し、それぞれの農家でバンカーサイロ調製が可能である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:WCS用稲生産者、コントラクター、TMRセンター、畜産農家
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:高糖分WCS用稲「たちすずか」および「たちあやか」などの栽培地域・625 ha・25台(5年間)。
  3. その他:詳細は『画期的WCS用稲「たちすずか」の特性を活かした低コスト微細断収穫調製・給与マニュアル』(2016年2月刊行、近中四農研ホームページよりダウンロード可能)へ記した注意事項に従って、サイレージの好気的変敗を防ぐこと。バンカーサイロ調製時は、乳酸菌製剤「サイロSP」など酢酸生成タイプの乳酸菌製剤を使用すること。コンパネサイロ新設は、軟弱地盤不可、1日の取り出し量260kg以上を推奨とする。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028152
カテゴリ コスト コントラクター 収穫機 飼料用作物 水田 ソルガム 中山間地域 低コスト とうもろこし 輸送

この記事は