ピーマン主要産地における加害線虫種はサツマイモネコブセンチュウが主体である

タイトル ピーマン主要産地における加害線虫種はサツマイモネコブセンチュウが主体である
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2014
研究担当者 岩堀英晶
上杉謙太
発行年度 2014
要約 ピーマンの主要産地である宮崎県、鹿児島県、高知県、茨城県の線虫発生圃場50圃場において優占する有害線虫種はサツマイモネコブセンチュウである。また、調査した31圃場中6圃場では抵抗性打破系統線虫の割合が高い。
キーワード ピーマン、有害線虫、種同定、サツマイモネコブセンチュウ、抵抗性打破系統
背景・ねらい 我が国におけるピーマン生産では有害線虫の加害による生育不良・萎凋が大きな減収要因の1つとなっている。しかしながら、その防除はほぼ農薬に依存しており、日本におけるピーマン栽培で問題となる線虫種に関する調査研究はほとんど行われていない。また、それら線虫種に対するピーマンおよび抵抗性育種のための交配親となりうるトウガラシ野生種の有する抵抗性との関係についても不明な点が多い。ピーマンの実効性ある有害線虫抵抗性育種、引いては農薬防除に対する代替技術の開発を進めるためには、ピーマン加害線虫種に関する知見が不可欠である。そこで、各ピーマン産地における加害線虫種の特定と、その種構成を調査する。併せて、近年発生が知られるようになった、抵抗性トウガラシ野生種に寄生可能な抵抗性打破系統線虫の発生圃場率を調査する。
成果の内容・特徴
  1. 2010~12年に採取したピーマンの主要産地である宮崎県、鹿児島県、高知県、茨城県の有害線虫発生圃場50圃場の土壌、および被害根からベルマン法により分離された線虫を生物顕微鏡下で観察し、有害線虫種を調査したところ、ネコブセンチュウのみである。
  2. 分離されたネコブセンチュウの2 期幼虫、および被害根より摘出した雌成虫をPCR-RFLP法によって1頭ずつ同定すると、2011年に採取した鹿児島県東串良町2発生圃場から検出された2期幼虫1頭がアレナリアネコブセンチュウ本州型あるいはナンヨウネコブセンチュウであったことを除いて、すべてサツマイモネコブセンチュウである(表1~3)。
  3. 上記発生圃場のうち、分離ネコブセンチュウ数の多かった31圃場について、これらの発生土壌20gを3系統の線虫抵抗性トウガラシ野生種「CM334」、「LS2341」、「PI322719」に接種すると、トマトに比して高い割合で卵嚢が形成される土壌が6圃場(19%)で見られる(表4)。このことより、これらの圃場では抵抗性打破線虫が高い割合で含まれる。
成果の活用面・留意点
  1. 優占種がサツマイモネコブセンチュウであることから、対象を本線虫に絞り込んだ抵抗性育種を計画することができる。
  2. サツマイモネコブセンチュウに有効な殺線虫剤や対抗植物等の防除手段を選択することができる。
  3. 1個体のみ検出されたアレナリアネコブセンチュウ本州型あるいはナンヨウネコブセンチュウは、圃場雑草で増殖していた可能性がある。
  4. 現在、抵抗性打破系統線虫の発生圃場率はそれほど高くないが、今後発生地が拡大するおそれがあるので注意を要する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028126
カテゴリ 育種 雑草 抵抗性 とうがらし トマト 農薬 ピーマン 防除

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