寡日照地域の植物工場での高輝度LEDを用いた補光によるイチゴの増収

タイトル 寡日照地域の植物工場での高輝度LEDを用いた補光によるイチゴの増収
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 日高功太
壇和弘
今村仁
三好悠太
高山智光
鮫島國親
北野雅治
沖村誠
発行年度 2014
要約 寡日照地域のイチゴの太陽光利用型植物工場では、冬季に配光制御型高輝度LEDで補光を行うと、個葉の光合成促進により平均果重、収穫果数がともに増加する。消費電力量あたりの増収量は、植物育成用蛍光灯区より配光制御型高輝度LED区では顕著に多い。
キーワード イチゴ、LED、光合成、増収、補光
背景・ねらい 冬季に寡日照となる北部九州のイチゴ促成栽培地域では、光環境の改善技術の開発が望まれている。特に、今後の普及が期待される太陽光利用型植物工場では、栽培装置の重装備化に伴う骨材の増加によって、光環境が悪化することが問題となっている。そこで、北部九州の太陽光利用型植物工場でのイチゴ促成栽培において、従来の植物育成用蛍光灯等の光源に比べて光強度が顕著に強い市販の配光制御型(レンズ集光により照射角度を狭角化し、光量を増加させる)の高輝度LEDを用いた日中の補光処理について、電力コストも含めてイチゴの収量性に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 冬季寡日照期間に配光制御型高輝度LED(図1a)で補光すると、植物育成用蛍光灯(図1b)の補光に比べて光強度が著しく上昇し、個葉の光合成が促進される(図2)。
  2. 各光源の補光条件下で栽培した場合、配光制御型高輝度LED区では、植物育成用蛍光灯区に比べて平均果重、収穫果数がともに増加し、可販果収量が顕著に多くなる(表1)。
  3. 消費電力量あたりの増収量は、植物育成用蛍光灯区より配光制御型高輝度LED区では顕著に多い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 寡日照地域の太陽光利用型植物工場におけるイチゴの安定生産のための基礎的知見となる。
  2. 配光制御型高輝度LEDは、1台あたり約2万円である。今後、技術の普及のためには、光源の価格低下が必要である。
  3. (独)農研機構九州沖縄農業研究センターの太陽光利用型植物工場の吊り下げ式高設栽培システムに一季成り性品種「福岡S6号」(あまおう)を2011年10月13日に定植し、2012年4月24日まで栽培試験を行った。施設内の環境条件については、夜間の暖房設定温度を8°Cに設定し、日中(6-18 時)の換気温度および二酸化炭素濃度をそれぞれ、27°Cおよび1,000ppmに設定して管理した。光強度(光合成有効光量子束密度)および光合成速度の測定は、光合成・蒸散測定装置(LI-6400XT、LI-COR Inc.)を用いて行った。
  4. 市販の配光制御型高輝度LED(LLM0312A、消費電力26W、スタンレー電気(株))を3台/m2(3,000台/10a)、一般的な植物育成用蛍光灯(消費電力40W)を2台/m2(2,000台/10a)用いた。12時間(6-18時)の補光を4ヶ月間(1-4月)実施した。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028115
カテゴリ いちご コスト 栽培技術 光条件 品種

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