ローラ鎮圧による暖地水稲乾田直播圃場の漏水防止技術

タイトル ローラ鎮圧による暖地水稲乾田直播圃場の漏水防止技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 深見公一郎
三池輝幸
中野恵子
松尾直樹
土屋史紀
佐々木豊
発行年度 2014
要約 暖地における水稲乾田直播圃場の漏水を防止するため、圃場内外での作業性を考慮したトラクタの3点リンクヒッチに直装できる鎮圧ローラを用いる技術。灰色低地土圃場において、塑性限界以上の高水分条件で鎮圧することで、効果的に漏水を防止できる。
キーワード 水稲乾田直播、ローラ鎮圧、漏水防止、土壌水分、灰色低地土
背景・ねらい 水稲乾田直播は、低コストで省力的な栽培方法である。しかし、水稲-小麦、大豆-大麦の二毛作が展開される北部九州地域では、麦類の収穫から水稲播種までの準備期間が短く、さらに畑利用(大豆、麦作)の継続によって圃場の漏水が顕著になるため、水稲乾田直播栽培を実施するためには播種時の効率的かつ効果的な漏水防止技術が必要不可欠となっている。そこで、漏水防止を目的としたローラ鎮圧作業の効率化と最適化を図るため、鎮圧条件と圃場の透水性との関係を解析し、北部九州地域に有効な漏水防止技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 圃場内外での機械作業性を考慮して、トラクタの3点リンクヒッチに直装できる「油圧ローラ」と「振動ローラ」を作成した(図1)。油圧ローラは、油圧により鎮圧荷重を1200kgから1700kgに増加できる(図1)。
  2. 灰色低地土において、ローラ鎮圧により圃場の透水性を低下させることができ、油圧ローラを用いた場合、鎮圧回数と鎮圧荷重の増加により透水性の低下割合が増大するが、3.6~5.8km/hの範囲では作業速度はほとんど影響しない(図2)。
  3. ローラ鎮圧による漏水防止効果には土壌水分条件が重要であり、土壌の塑性限界(土を練り、すりガラス上で直径3mmのひも状にできる時の土壌水分状態;含水比38%)以上の高水分条では、油圧ローラの鎮圧荷重及び鎮圧回数に関わらず圃場の減水深を2cm/日以内に収めることができる(図3)。
  4. 振動ローラは、ローラ重量が350kgのため出力30PSクラスのトラクタで利用可能で、振動時の瞬間的な鎮圧荷重は750~3125kg(ローラ振動:13~18Hz)に達する(図1)。高水分条件における2回鎮圧により、作業速度1.0~2.0km/hの範囲で減水深を2cm/日以内に収めることができ、高い漏水防止効果が得られる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 灰色低地土における水稲乾田直播圃場において活用できる。
  2. 鎮圧作業は、水稲を不耕起で播種する場合は播種前、麦播種機や表層散播機で播種する場合は播種後に実施する。
  3. 供試した油圧ローラは、出力65PS以上のトラクタとフロントウエイトが必要である。
  4. 振動ローラは、K社より型式:SV2-T(作業幅:120cm、ローラ重量:280kg)が市販されている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028110
カテゴリ 乾田直播 小麦 水稲 大豆 低コスト 二毛作 播種

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