JPP-NETヒメトビウンカ飛来予測システムの実運用

タイトル JPP-NETヒメトビウンカ飛来予測システムの実運用
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2012~2014
研究担当者 大塚彰
植野節子
衞藤友紀
小嶺正敬
真田幸代
松村正哉
Yeqin Zhu
Yijun Zhou
Gufeng Zhang
発行年度 2014
要約 中国でのヒメトビウンカの有効積算温度から第1世代の移出時期を推定し、飛来予測を行う。飛来が予測されると、県単位で利用者に電子メールで通知され、予測図から飛来時期と飛来地域の予測情報が提供される。
キーワード ヒメトビウンカ、飛来、予測
背景・ねらい イネの重要害虫であるヒメトビウンカは、イネ縞葉枯病の病原ウイルスを媒介する。西日本では、2008年6月に、殺虫剤に抵抗性を持ったヒメトビウンカが海外から多量に飛来し、水稲でイネ縞葉枯病が多発した(2009年成果情報「2008年に西日本で多発したイネ縞葉枯病はヒメトビウンカの海外飛来で起こった」)。イネ縞葉枯病を多発させないためには、ヒメトビウンカの海外からの飛来を予測し、適切に飛来虫管理をすることが大切である。事前に病害虫防除所に飛来予測を知らせることで、適切な薬剤選択や飛来地域(防除の必要な地域)の推定などを行うことができる。そこで本研究では2012年成果情報「ヒメトビウンカの海外からの飛来を予測する方法」で開発した予測技術と今回新たに行った発生調査結果を基に、実運用できるヒメトビウンカ飛来予測システムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 飛来予測では新たに飛来源である中国江蘇省内の5地点の日別気温のオンラインデータを用いて、自動的に年初からのヒメトビウンカ有効積算温度を計算し、設定した羽化の閾値から移出時期を推定する(図1)。
  2. ヒメトビウンカは日中と夕方に移出する(図2)。
  3. ヒメトビウンカが飛来源で移出時期に入ったら、飛来予測モデルの中で毎日ヒメトビウンカを日中(中国時間9~17時)と夕方(17~19時)に江蘇省の中央部と沿岸部から飛び立たたせ、飛来するウンカを示すウンカ雲の移動を予測する(図3)。
  4. システムは、あらかじめ利用者が登録した県に対してウンカ雲が到達するかどうかを調べ、飛来がある場合電子メールで利用者に通知する(図4)。
  5. 通知メールのリンクから飛来予測図を参照でき、飛来時期と飛来地域がわかる(図3)。
  6. 過去の飛来事例については、観測された気象解析値を用いた移動解析を行い、より正確な移動解析図も提供している。
  7. このヒメトビウンカ飛来解析システムは、一般社団法人日本植物防疫協会のインターネットデータベースサービスJPP-NETの中で2014年から実運用されている。
成果の活用面・留意点
  1. 飛来時期・地域の飛来予測情報は、西日本を中心とした全国の病害虫防除所が利用し、飛来警戒、薬剤選定と防除時期の決定、イネ縞葉枯病防除対策に利用できる。
  2. JPP-NETには全国の病害虫防除所や試験研究機関が会員となっており、現在35県36機関、1政府行政機関、1独立行政法人がメールアドレスを登録し、飛来予測メールを受信している。これらはヒメトビウンカの主要飛来地域をカバーしている。
  3. 本システムは、JPP-NET(有料)に加入することで利用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028106
カテゴリ 害虫 縞葉枯病 抵抗性 データベース ヒメトビウンカ 病害虫防除 防除 薬剤

この記事は