淡色味噌に好適で晩播栽培において多収の大豆品種「あきまろ」

タイトル 淡色味噌に好適で晩播栽培において多収の大豆品種「あきまろ」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2014
研究担当者 高田吉丈
猿田正恭
岡部昭典
川瀬眞市朗
菊池彰夫
小野貞芳
発行年度 2014
要約 「あきまろ」は、「フクユタカ」並みの成熟期で、晩播栽培(7月播)において多収で、子実の外観品質が優れ、淡色味噌加工適性に優れる品種である。近畿中国四国地域で発生するダイズモザイクウイルスA2系統に抵抗性を有する。
キーワード ダイズ、味噌、晩播、多収、ダイズモザイクウイルスA2系統抵抗性
背景・ねらい 国内では、年間約50万tの味噌が生産されており、その原料大豆の約9割が輸入品である。一方、大豆の国際価格上昇、食の安全・安心志向や地産地消への意識の高まりから、実需者の国産大豆に対する潜在的ニーズは高いが、供給面・価格面の懸念などにより国産大豆の使用は限られている。
近畿中国四国地域では、淡色味噌の生産および消費が多いものの、淡色味噌原料に好適な既存品種は少ない。また、味噌用大豆の供給と価格を安定させるには、本地域で発生し、減収と品質低下の要因となっているダイズモザイクウイルスA2系統に抵抗性の品種導入が重要である。そこで、味噌への国産大豆使用拡大を目指し、このウイルス系統に抵抗性で安定多収の、淡色味噌に適した温暖地向け品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「あきまろ」は、2001年に長野県中信農業試験場(現、長野県野菜花き試験場)より分譲されたF6系統(母「東山系T683」、父「東山系T762」、1995年交配)を近畿中国四国農業研究センターにおいて選抜し、育成した品種である。
  2. 成熟期は「フクユタカ」と同程度の晩生で、最下着きょう節位が高いためコンバイン収穫時の収穫ロスや土混入を軽減できる(表1、図1)。
  3. 育成地(香川県善通寺市)において、標準播(6月播:6月10日頃)より晩播(7月播:7月10日頃)で収量が高く、倒伏程度が小さく、外観品質が優れる(表1)。奨励品種決定調査において、収量は標準品種と比べ標準播ではやや劣るが、晩播では多収である(図2)。
  4. ダイズモザイクウイルスA2系統抵抗性が「強」である(表1)。
  5. 淡色味噌の色調や食味が良好で、M社の官能評価では5段階評価の5(良)と評価され、C研究所の順位付けでは8点中1位に評価されており、淡色味噌加工適性が優れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:関西以西の温暖地の生産者など。
  2. 普及予定地域・普及予定面積:広島県の奨励品種に採用され(2014年度)、2015年度は150ha、2016年度は200haの作付けが計画されている。
  3. その他:粗タンパク含有率が、「フクユタカ」「サチユタカ」よりも低く、豆腐製造方法が同じ場合に「あきまろ」の豆腐の硬さは、「フクユタカ」「サチユタカ」より柔らかいため(表2)、添加する凝固剤濃度などの製造方法を調整する必要がある。A2系統以外のダイズモザイクウイルスについては、「フクユタカ」、「サチユタカ」同様にA、B系統に抵抗性であり、普及対象地域で問題となっていないC、D系統には感受性である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028082
カテゴリ 加工適性 大豆 抵抗性 品種 良食味

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