穀物の粉の吸水特性を改変する方法の開発

タイトル 穀物の粉の吸水特性を改変する方法の開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究課題名
研究期間 2013~2014
研究担当者 松木順子
徳安健
與座宏一
池正和
発行年度 2014
要約 水酸化カルシウムを用いて穀物の粉の吸水特性を改変する方法を開発した。処理条件を調節することによって、吸水にかかる時間および吸水量を調節することができる。本法は穀類および疑似穀類全般に広く適用可能である。
キーワード 穀類、澱粉、穀粉、吸水性、水酸化カルシウム
背景・ねらい 澱粉を主体とする穀物の利用特性は澱粉の性質に大きく依存しているが、特に澱粉の糊化には水が必要であることから、吸水性が重要な要因となる。粉の吸水特性を調節することによって、澱粉の糊化特性を制御し、調理特性、食感、消化性などの機能性を改変することができるものと期待される。しかしながら、これまでに、加熱糊化時の吸水性に影響を及ぼす要因についての研究は行われているものの、常温での素材の吸水性を調節する方法についてはほとんど知られていない。本法では、穀物の粉を改質することによって吸水特性を調節し、加工利用特性を改変することにより、素材の新たな利用法の開発につなげることを目標としている。
成果の内容・特徴
  1. この方法は、コメ、ムギ、トウモロコシ等の穀類およびソバ、アマランスなどの疑似穀類など幅広く澱粉系の素材を対象としている。
  2. 水酸化カルシウム処理によって、撥水性を示す粉を作成することができる。穀物を水酸化カルシウム処理した後に粉砕しても、粉を水酸化カルシウム処理しても、いずれの方法でも作成可能である。撥水性は、水滴と粉との接触角(図1)、水滴が粉に吸い込まれる速度、吸水性簡易評価法(図2)などによって評価できる。吸水性簡易評価法とは、底に穴をあけた缶に粉を詰め、底面から吸水させて、缶全体の重量の経時変化を追うことで、吸水量と吸水速度を測定する方法である(2012 年度研究成果情報「米粉のパン加工適性評価のための吸水性簡易評価法」)。
  3. 処理時に用いる水酸化カルシウムの濃度、処理時間、処理温度などの処理条件を調節することによって、吸水にかかる時間および吸水量を調節することができる(図3)。
  4. 疎水性成分が粉の表面を覆っていると考えられ、中和処理や、極性の高い溶媒の添加により、親水性が復活する。
  5. プロラミン、グルテリンを除去した米粉を用いて改質処理を行った場合には撥水性を示さないことから、撥水性を賦与するためにはプロラミンおよびグルテリン画分の存在が必要であることが示唆される(図4)。
  6. 本法は穀類全般に適用できる技術であり、素材そのものの吸水特性を改変することから、澱粉系素材の新たな利用法の開発につながることが期待される。
成果の活用面・留意点
  1. 本法で改質した粉を打ち粉に用いた場合、生地の吸水を抑え、茹でどけを抑制することが可能である。
  2. 吸水速度が調節できる生分解性素材として非食品利用が可能である。
  3. 撥水効果を発揮するためには粉がアルカリ性であることが必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028002
カテゴリ 加工 加工適性 機能性 そば とうもろこし 評価法

この記事は