無人で任意時間の採水を可能とする濁度・水質水文遠隔監視システム

タイトル 無人で任意時間の採水を可能とする濁度・水質水文遠隔監視システム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究課題名
研究期間 2012~2014
研究担当者 久保田富次郎
濵田康治
人見忠良
山口康晴
申文浩
発行年度 2014
要約 水質水文データを監視しながら任意時間における採水が可能な遠隔監視による濁度・水質水文観測システムである。立入制限区域や遠隔地における水質水文調査や、低コストでの農業水利施設の管理等への活用が期待できる。
キーワード 遠隔モニタリング、農業水利施設、濁度、水質、水文観測、ICT技術
背景・ねらい ICT技術の発展に伴って携帯回線等を用いた水質水文観測の遠隔監視は、以前より低コストかつ容易に導入できるようになってきた。遠隔地における現地観測、多労で将来の担い手確保が懸念される農業水利施設の管理における省力化に向けた施設監視などに向けて、今後、遠隔による水質や水文を対象とした観測技術の高度化や低コスト化の実現に向けた要望がさらに高まるものと考えられる。
本研究では、降雨流出時などにおいて短時間での水質変化が大きく、放射性物質や栄養塩の動態とも密接に関係していると考えられる濁度を中心とした水質項目、および水位や気象要素等を遠隔監視の対象とした。そして、既往の遠隔観測システムにソフトウェアの改良を施して、採水器と連動し任意時間に採水が可能な観測システムを開発し、約2年にわたって複数台を現地で運用し、問題点を探り今後の課題抽出を行う。
成果の内容・特徴
  1. 任意の時間における遠隔採水機能などを有する比較的低コストの濁度・水質水文観測のための遠隔監視システムである(図1)。本システムは、市販のシステムをベースにソフト上の改良を施すことで、新たに、1)任意時間での遠隔採水、2)センサー出力の複合条件で自動採水、3)詳細設定が可能な警報メール、の機能を実現する。
  2. 本システムは、濁度や水位の他にさまざまなセンサーを接続できる構造(図1)で、携帯通信を利用することで、基本的に10分毎に水質、水文観測データをサーバーに送り、Web上からデータを閲覧、ダウンロードすることが可能である。
  3. システムを自動採水器と連動させることで、PCやスマートフォンから任意時間における採水指令を送信し、採水を行うことが可能である(図2、図3)。また、閾値を設定した各センサーの出力およびその複合条件によって採水することもできる。
  4. 各センサー出力に設定した閾値に対応した2グループのメールアドレスのリストに対して異なる条件で警報メールを送信することができる(図2)。
  5. 濁度センサーを用いた水質観測における問題は、主に、1)設置場所と方法、2)ゴミや堆積物による光路阻害、3)受光部への物質の付着、に起因する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. システムのコストは、NDL(図1)に電源を含めた最小構成で21万円である。センサーは、水位が10万円、濁度センサーに25~30万円、水温が1万円、採水器は約50万円を要する。また、通信費が1システム当たり月額0.3万円、データサーバー利用費が月額0.3万円程度かかり、年間で8万円程度を要する。
  2. 遠隔監視では、精密機器が高低温や高湿度など過酷な気象条件下に晒されることから、設置や維持管理に細心の配慮が必要である。今後、さらに高耐久化を進める必要がある。
  3. 使用した濁度センサーは、透過光型濁度センサーである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027979
カテゴリ ICT コスト 省力化 低コスト 水管理 モニタリング

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