液状化を防止するための細粒分を含む土の締固め管理方法

タイトル 液状化を防止するための細粒分を含む土の締固め管理方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 上野和広
堀俊和
松島健一
有吉充
発行年度 2014
要約 ため池やパイプラインにおいて、強震帯地域のレベル1地震動(発生頻度が供用期間中1~2回の強さの地震動)で液状化を発生させないためには、細粒分が多い土では土の締固め度を90%以上、それ以外の土では95%以上で締固め管理することが有効である。
キーワード 液状化強度、締固め度、細粒分含有率
背景・ねらい 地震時に地盤の液状化が発生すると、ため池など構造物の沈下やパイプラインの浮上など甚大な被害が生じる(図1)。液状化は地震時に作用する繰返し応力振幅比(有効上載圧に対する繰返し荷重の比)が地盤の液状化強度(一定応力振幅の繰返し載荷20回で両振幅軸ひずみ5%を生じる繰返し応力振幅比)を超えた際に発生する。液状化強度は土の密度や粒度構成に大きく影響される。本研究では、ため池やパイプラインで実際に使用されている複数の粒度構成の土を用いて液状化試験を行い、液状化の防止を期待できる液状化強度を得るための細粒分(粒径0.075mm以下の土粒子)を含む土の締固め管理方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 図2は、試験に用いた土の粒度分布である。ため池やパイプラインで実際に使用されている複数の粒度構成の土を用い、締固め度(土の乾燥密度/標準突固め試験で求めた最大乾燥密度)を変えて供試体を作製している。液状化強度は、図3(a)に示す繰返し三軸試験機を用いて供試体に非排水状態で繰返し荷重を与えたときの抵抗性から評価する。図3(b)は締固め度が異なる供試体に繰返し荷重を与えたときの代表的な変形挙動を示している。締固め度が小さい緩い土は急激に変形を生じ、締固め度が大きい密な土は大変形を生じるまでに多くの繰返し載荷回数を要する。
  2. 図4は液状化強度と締固め度の関係である。液状化強度は締固め度が大きくなるに伴って増加傾向にあり、締固め度約90%から急増する。また、同じ締固め度では細粒分が多いほど液状化強度が大きくなる傾向にある。
  3. 図4にパイプラインの設計基準から求めた弱震帯、中震帯、強震帯地域(地震の発生頻度によって区分した地域)におけるレベル1地震動の繰返し応力振幅比(地震外力)を示す。締固め度85%ではほとんどの試料が弱震帯地域のレベル1地震動で液状化を生じる(液状化強度が繰返し応力振幅比(地震外力)を下回る)。強震帯地域のレベル1地震動で液状化を発生させないためには、細粒分が多い土では土の締固め度を90%以上、それ以外の土では95%以上で管理することが有効である。
  4. 本成果は、盛立で使用する土の細粒分含有率に応じた効率的な締固め管理基準の設定や、既存施設の土の締固め度と細粒分含有率に基づく簡易な液状化判定に利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:全国の20万箇所のため池、全国1万2千kmのパイプライン
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:2014年度改訂ため池整備指針に反映
  3. その他:「[成果の内容・特徴]3.」の細粒分が多い土とは、本研究の試験結果から細粒分を少なくとも57.8%以上含む土である。極端に細粒分含有率が小さい土(12.0%以下)や単一粒径のシルトなどについては、本研究で使用した試料(図2)と粒度分布が大きく異なることから別途検討が必要である。また、レベル2地震動(将来にわたって考えられる最大級の強さの地震動)に対する適切な締固め管理方法については別途検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027961
カテゴリ 乾燥 抵抗性

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