ライグラスにおける新規いもち病抵抗性遺伝子座

タイトル ライグラスにおける新規いもち病抵抗性遺伝子座
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2007~2014
研究担当者 高橋亘
三浦優一
佐々木亨
高溝正
発行年度 2014
要約 ライグラスの新規いもち病抵抗性遺伝子LmPi2はライグラス第3連鎖群に座乗し、単独でいもち病抵抗性を制御する。
キーワード いもち病、QTL解析、抵抗性遺伝子座、DNAマーカー、ライグラス
背景・ねらい 近年、主要なイネ科牧草の一つであるイタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)のいもち病菌(Magnaporthe oryzae)の被害が広がりつつあり、抵抗性品種の開発が急がれている。いもち病に対してライグラスは感受性の個体が多いが、少数ながら抵抗性を示す個体が存在する。これら個体の抵抗性遺伝子座を同定して緊密に遺伝的連鎖をするDNAマーカーを開発することができれば、抵抗性品種・系統の開発を加速できる。そこで本研究ではゲノム解析によりライグラスの新規いもち病抵抗性遺伝子座を同定する。
成果の内容・特徴
  1. 病原菌接種はシャーレ中の寒天(40mg/Lベンズイミダゾール、0.7%寒天)の上に置いたライグラス幼苗の切離葉(長さ2.5cm)に、病原菌の胞子懸濁液10μLを塗布したろ紙(2×15mm)を塗布面が接するように静置し、1週間の培養(25°C・明所)の後、罹病程度を評点0から4の5段階で評価する(図1)。その際、胞子形成をともなわない評点0から2の病斑を示した個体を抵抗性、胞子形成が認められる評点3と4の病斑を示した個体を感受性と判断する。
  2. 海外品種「Surrey」から選抜した抵抗性個体と国内市販品種「ミナミアオバ」の感受性個体との単交雑に由来するF1集団の幼苗に上記手法でいもち病菌を接種すると、抵抗性と感受性の表現型が分離する(図2)。同一個体に対する4回の接種試験(表1)から求められる同集団の抵抗性の遺伝率は66.5%である。
  3. 上記F1集団の抵抗性遺伝子(LmPi2)はイネ第1染色体とシンテニーの関係にあるライグラス第3連鎖群に座乗する(図3)。
  4. 本遺伝子座における説明可能な表現型分散(69.5%)は前述の遺伝率と近い値である。このことは、同遺伝子座が集団内の抵抗性の殆どを単独で制御することを意味する。
成果の活用面・留意点
  1. LmPi2の遺伝子座に連鎖するC62003(イネEST由来)や09-12A(SSR由来)等のDNAマーカーを利用することで抵抗性系統を効率的に作出することが可能である。
  2. ライグラスのいもち病菌は分類上イネのそれと同種であるので、LmPi2の遺伝子座を単独で導入した品種・系統を栽培し続けると、イネで報告されているように、レース分化により抵抗性が打破される可能性があることに留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027897
カテゴリ イタリアンライグラス いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 DNAマーカー 品種

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