水出し緑茶に含まれるエピガロカテキンのマクロファージ食作用増強メカニズム

タイトル 水出し緑茶に含まれるエピガロカテキンのマクロファージ食作用増強メカニズム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 物部真奈美
野村幸子
発行年度 2014
要約 エピガロカテキン(EGC)によって発生する過酸化水素がマクロファージのカルシウムイオン透過性チャネルTransient receptor potential melastatin 2(TRPM2)に作用して食作用活性を増強させる。
キーワード 水出し緑茶、エピガロカテキン、免疫調節、マクロファージ、食作用活性
背景・ねらい 茶葉中には様々な健康機能性成分が含まれているが、お茶を淹れる時の水温の違いにより浸出される成分構成が異なる。熱水では、マクロファージの活性を抑制する作用をもつエピガロカテキンガレート(EGCG)が浸出してくるが、冷水ではEGCGは浸出され難くなる。一方、エピガロカテキン(EGC)は冷水でも浸出されてくることから、水出し緑茶のカテキンはEGCが主成分となる。水出し緑茶を長期間飲用(2週間以上)することにより生体(マウス・ヒト)において、感染症予防などに働く抗体産生能が改善される効果が見出されているが、その作用メカニズムは不明である。そこで、水出し緑茶に含まれる主要カテキンであるEGCについて、自然免疫系で重要な役割を果たしているマクロファージに対する作用メカニズムを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 水出し緑茶の主要カテキンであるEGCは過酸化水素を生成する(図1)。
  2. 過酸化水素を水に変換して消失させる酵素であるカタラーゼを添加すると、EGCによるマクロファージ様細胞株(HL60)の食作用増強活性が消失する(図2A)。このことから、EGCから発生する低濃度(数μM程度)の過酸化水素がシグナルとなりマクロファージの食作用活性が増強されることが推察される。
  3. マクロファージ細胞表面にあるTransient receptor potential melastatin 2(TRPM2)は過酸化水素に反応するカルシウムイオン透過性チャネルであり、2-aminoethoxydiphenyl borate(2-APB)で活性が阻害される。2-APB を添加するとEGCによるマクロファージの食作用活性が消失することから(図2B)、EGCはTRPM2を活性化してマクロファージの食作用活性を増強することが推察される。
成果の活用面・留意点
  1. 加齢やストレスなどによる病原体などの外敵を認識する能力(抗原認識能)の低下は、感染症のリスクを増加させるが、EGCを主要カテキンとする水出し緑茶を飲用するとマクロファージのTRPM2を活性化して、食作用活性が増強されることから抗原認識能が高まり、抗体産生能が改善される可能性がある。
  2. 抗原認識能が低下している場合、抗原刺激を受けても生体防御反応が起こりにくくなっていることが予想される。そこで、抗原認識能を高めるEGCを主要カテキンとする水出し緑茶とToll様レセプターなどの抗原受容体に作用して免疫系を活性化する成分が含まれる食品と組み合わせることにより、生体防御能がより高まることが期待されるが、EGCとToll様レセプターなどの抗原受容体に作用して免疫系を活性化する各種食品成分との組み合わせ効果については今後検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027886
カテゴリ 機能性成分

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