煮沸チャ葉法によるチャ輪斑病菌のQoI剤感受性簡易検定

タイトル 煮沸チャ葉法によるチャ輪斑病菌のQoI剤感受性簡易検定
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2013~2014
研究担当者 山田憲吾
園田亮一
石川浩一
発行年度 2014
要約 煮沸処理後に薬剤浸漬処理したチャ葉上での菌叢生育の有無によって、チャ輪斑病菌のQoI剤感受性を簡単に検定できる。
キーワード チャ、輪斑病、QoI剤、耐性菌
背景・ねらい チャ輪斑病菌Pestalotiopsis longisetaにおいて、基幹防除薬剤であるアゾキシストロビン水和剤を始めとするQoI剤に対する感受性が低下した耐性菌の出現が各地で確認されている。QoI剤の防除効果は耐性菌の増加に比例して低下するが、耐性菌の発生程度は同一地域内であっても圃場毎に異なることから、QoI剤の使用にあたっては個々の圃場で耐性菌の発生程度を調査する必要がある。そこで、生産者や普及・指導機関で簡単に実施できるQoI剤感受性検定法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 対象圃場から採集した輪斑病罹病葉を室温(20~30°C)、室内散光下の湿室に2~4日間静置して分生子を形成させる。健全なチャ成葉を沸騰水道水で5~10分間煮沸した後、薬液(アゾキシストロビン20%水和剤の200倍希釈)に瞬時浸漬し、輪斑病菌分生子を付着させて室温で静置する(図1)。
  2. 薬剤処理していない煮沸チャ葉上において、輪斑病菌は1~3日間で白色の気中菌糸に富んだ濃密な綿毛状の菌叢を形成する。接種3日後に薬剤処理区で生育しなかったものを感受性菌、無処理区と同等に生育したものを耐性菌と判定する(図2)。
  3. 輪斑病菌と雑菌を判別しがたいときは室内散光下でさらに2~5日間培養を続ける。輪斑病菌は菌叢上に多数の黒色分生子塊を形成する(図3)。
  4. 本法による検定結果は、従来法(寒天平板希釈法、遺伝子診断法)の結果と一致する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 耐性菌の比率が高い圃場ではQoI剤の防除効果は期待できないため、他系統の薬剤を選択する。また、比率が低くても1回のQoI剤散布で耐性菌が急増することがあるため、検定は毎回実施することが望ましい。
  2. 輪斑病菌のQoI剤耐性菌には、QoI剤感受性が著しく低い高度耐性菌とやや低い中度耐性菌の2種類が存在するが、本検定法では両者を区別することはできず、いずれも耐性菌と判定される。
  3. 分生子を付着させる代わりに数mm角の病斑片を煮沸チャ葉上に置くことでも接種できる。これによって所要日数を半分に短縮できるが、分生子接種よりも雑菌が繁殖しやすく、検定結果がやや不安定になる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027882
カテゴリ 耐性菌 繁殖性改善 防除 薬剤

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