単純反復配列(SSR)マーカーに基づいたチャ遺伝資源コアコレクションの構築

タイトル 単純反復配列(SSR)マーカーに基づいたチャ遺伝資源コアコレクションの構築
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2010~2014
研究担当者 谷口郁也
木村恵子
佐波哲次
荻野暁子
山口聰
田中淳一
発行年度 2014
要約 SSRマーカー23座の遺伝子型から推定したチャ遺伝資源の集団構造は3つのグループから構成される。また、遺伝子型を指標として構築したコアコレクションは、花器形態、一番茶新芽の化学成分等の表現型においても十分な多様性を持つ。
キーワード チャ、遺伝資源、コアコレクション、SSRマーカー、集団遺伝構造
背景・ねらい 農研機構野菜茶業研究所で保存しているチャの遺伝資源は明治期から100年以上の期間をかけて収集され、その来歴も国内はもとより、中国、インド、ベトナムなど海外13ヶ国の多岐にわたる。その保存点数は7000点を上回り、その規模、網羅性は世界でも最大級である。そこで、チャ遺伝資源の遺伝的多様性を評価し、なるべく少数の材料で遺伝資源全体の多様性をできるだけ網羅したコアコレクションを構築することにより、多数の遺伝資源から目的の育種素材を効率的に見出すための基盤を整備する。
成果の内容・特徴
  1. 遺伝資源全体から来歴情報をもとに抽出した788系統(表1)を対象に、チャの標準連鎖地図から、ゲノム全体を網羅し、多型頻度の高いことを基準に選んだ23座のSSRマーカーの遺伝子型を明らかにし、そのデータに基づいて集団遺伝構造を解析すると、チャ遺伝資源は、国内系統と海外系統の2グループに大分される。海外系統は、さらに中国変種とアッサム変種の2グループに分かれる(図1)。国内系統は、ほぼすべて中国変種であるため、チャ遺伝資源は中国変種(国内系統)、中国変種(海外系統)、アッサム変種の3グループから構成される集団構造を示す。
  2. SSRマーカー23座の対立遺伝子数の総数を多様性の指標として、できるだけ多様性が高くなるように系統を選定して構築した4つのコアコレクション(Core192、Core96、Core48、Core24)は、それぞれ192系統、96系統、48系統、24系統からなる(表1)。系統数の少ないコアコレクションは、系統数の多いコアコレクションにすべて含まれ、入れ子構造になっている。
  3. 遺伝子型データを用いて選定された上記コアコレクションは、子房の毛の多少等の花器形態(図2)及び全窒素等の一番茶の化学成分含有量(図3)において、遺伝資源系統の788系統全体で観察される変異をおおむね網羅している。
成果の活用面・留意点
  1. チャの育種素材の探索や多様性研究を効率よく進めることに適した系統群である。コアコレクションを利用する際には、実施する実験で扱うことが可能なサンプル数に応じて、4つのコアコレクションの中から適したものを選択することができる。
  2. コアコレクションに含まれるチャ遺伝資源は、農業生物資源ジーンバンクから入手することができる。
  3. アッサム変種等のうち、一部の系統は耐寒性が弱いため、露地栽培が暖地に限られる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027880
カテゴリ 育種 遺伝資源 耐寒性

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