甘露排出量を指標としたチャのチャノミドリヒメヨコバイ抵抗性評価法

タイトル 甘露排出量を指標としたチャのチャノミドリヒメヨコバイ抵抗性評価法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 萬屋宏
発行年度 2014
要約 チャノミドリヒメヨコバイが排出する甘露の量を計測することでチャへの吸汁加害程度を評価できる。吸汁量と相関のある甘露排出量が少ない場合は、抗寄生性があると評価できる。
キーワード チャ、チャノミドリヒメヨコバイ、耐性、抗寄生性、抵抗性評価法
背景・ねらい チャの最重要害虫の1種であるチャノミドリヒメヨコバイは、新芽を吸汁加害し、収量と製茶品質に悪影響を及ぼす。本種は年間に6回以上発生し、防除回数も多いことから、抵抗性品種の開発が望まれている。しかし、これまで本種の抵抗性を厳密に評価する手法は開発されていない。そこで、実際の吸汁量と相関があり、抗寄生性の指標となる甘露排出量の比較による抵抗性評価法を開発する。なお、抗寄生性とは、寄生昆虫に食物資源などとして利用されない、好まれない品種・系統特性のことである。
成果の内容・特徴
  1. 甘露排出量を指標とした本種に対する抗寄生性を検定できる容器及び実験手順を図1に示す。水に浸したオアシスにチャ新芽を1本ずつ挿し、新芽の芯の部分に2mlのマイクロチューブをかぶせて、羽化後日数が揃った雌成虫を1匹ずつ入れてチューブの口の部分にカット棉で棉栓をする。48時間放飼し、吸汁・甘露排出をさせ、チューブ内に溜まった甘露を0.1mgまで計測できる電子天秤で計測する。用いるチューブの重量は、あらかじめ計測しておき、48時間後のチューブの重量からひいて、排出された甘露量を算出する。比較品種と供試系統間で甘露排出量を比較する。実験は、温度が25°C、16時間明-8時間暗の日長条件の恒温器内で行う。
  2. 評価法を用いて本種に対する耐性を持つチャ遺伝資源3系統を吸汁させた時の甘露排出量を計測すると、「やぶきた」を吸汁させた時の甘露排出量に比べ少ない(図2)。
  3. 同様にこれらチャ遺伝資源3系統上で吸汁させ、採取した甘露の平均アミノ酸総含有量が低い(図3)。特に枕Cd19と枕Cd289を吸汁させた場合、排出された甘露中には、吸汁性昆虫の重要な栄養素であるアミノ酸類がほとんど含まれておらず(図3)、師管からの吸汁が阻害されていることが示唆される。
  4. 甘露排出量を指標に抗寄生性を評価する際には、供試するチャ芽の堅さや大きさなど新芽の芯の状態を揃える必要がある。また多数のサンプルの評価が可能で十分な反復数が確保出来ることから、厳密な抵抗性評価が可能となる利点がある。
成果の活用面・留意点
  1. チャノミドリヒメヨコバイに対する耐性を有する3系統は、本種の吸汁による葉の褐変の程度が顕著に小さい。この3系統は本種に対する抗寄生性も併せ持つことから、チャノミドリヒメヨコバイ抵抗性チャ品種育成のための育種素材としての利用が期待される。なお、枕Cd19と枕Cd289はインドから導入した系統で、CA278は中国から導入した鹿Ch2とインドから導入したAi57を交配した系統である。
  2. 本評価法は、育種素材の選抜法として活用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027879
カテゴリ 育種 遺伝資源 害虫 抵抗性 抵抗性品種 評価法 品種 防除

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