フォールアウトを受けたブルーベリー園における放射性セシウムの動態

タイトル フォールアウトを受けたブルーベリー園における放射性セシウムの動態
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2011~2014
研究担当者 草塲新之助
松岡かおり
阿部和博
味戸裕幸
安部充
木方展治
平岡潔志
発行年度 2014
要約 フォールアウトを受けた器官の放射性セシウム濃度は、フォールアウト後に発生した果実、葉より著しく高い。果実、葉の濃度は、土壌中の濃度より速やかに減少する。果実中の放射性セシウムは、フォールアウトを受けた部位からの移行が主であると推察される。
キーワード 放射性セシウム、ブルーベリー、樹体内分布、経年変化、移行特性
背景・ねらい 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質のうち、広範囲に降下し半減期が長く長期的な影響が懸念される放射性セシウムについて、ブルーベリーにおける果実への移行特性に関する調査を行う。
事故発生年の調査により、果実に移行していた放射性セシウムは、樹体へ直接付着したものに起因する割合が大きいと推察された。このため、放射性セシウムが直接付着した樹体を継続調査することにより果実への移行特性を明らかにする。あわせて、ブルーベリー栽培における地表面有機物の放射性セシウム濃度の変化を調査する。
成果の内容・特徴
  1. ブルーベリー樹における地上部各器官の放射性セシウム濃度(以下、濃度)は、2011年、2012年ともにフォールアウトを受けた器官で最も高い。果実の濃度は、両年とも測定した器官の中で最も低い(表1)。
  2. 果実、葉の濃度は、時間の経過とともに指数関数的に減少する(図1)。
  3. 耕起を行っていないブルーベリー園土壌の濃度は表層土壌で高い(図2)。土壌濃度の低下は、放射性セシウムの物理的減衰(134Csと137Csが1:1で存在すると、 134Cs+137Csは2年間で約3/4となる)と類似する。
  4. 果実濃度を土壌濃度(0-15cm)で除した見かけの移行係数は、2011年は0.069、2012年に0.0097、2013年に0.0050と年々減少する。
  5. フォールアウトを受けた器官の濃度が最も高いこと、果実の濃度は土壌濃度よりも速やかに減少することから、事故発生後3シーズンに生産された果実では、2011年3月に樹体地上部にフォールアウトした放射性セシウムが主に移行したと推察される。
  6. 単位面積あたりの樹冠下地表面有機物の放射性セシウム量は、事故翌年には大きく低下する。単位面積あたりの土壌と地表面有機物に含まれる放射性セシウムのうち地表面有機物に含まれるものの割合は、事故発生後5ヶ月(2011年8月)で18%、翌年には5.7%、2年後には1.9%である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. フォールアウトを受けた器官の濃度が新生器官より高い傾向は、バラ科果樹(モモ、リンゴ、ニホンナシ)、カキと同様である。
  2. 試験園の土壌は褐色森林土であり、樹冠下地表面は雑草草生である。
  3. フォールアウト時(2011年3月)には、134Csと137Csの濃度比はほぼ1:1であり、本成果における放射性セシウム濃度の低下には、放射性セシウムの自然減衰(134Csの半減期は2.1年、137Csは30年)が含まれる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027856
カテゴリ 雑草 ばら ブルーベリー もも りんご

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