飼料用オオムギにおけるビタミンEの推移に着目した最適な収穫時期

タイトル 飼料用オオムギにおけるビタミンEの推移に着目した最適な収穫時期
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2014
研究担当者 木村俊之
佐藤節郎
発行年度 2014
要約 飼料用オオムギのビタミンEは葉ではαトコフェロール主体であり黄熟期にかけ上昇し、その後減少する。穂では登熟に伴い上昇し、トコトリエノールが主体となる。ビタミンEに着目した最適収穫時期は糊熟期から黄熟期(葉)、黄熟から完熟期(穂)となる。
キーワード 飼料オオムギ、天然ビタミンE、登熟、収穫適期
背景・ねらい ビタミンEは脂溶性の抗酸化性物質であり、畜肉の品質維持に重要な役割を有し、飼料における重要な栄養素である。畜肉の生産現場においては合成のビタミンE(酢酸dl-α-トコフェロール)を飼料に添加している。天然のビタミンEには側鎖の違いによりトコフェロール(Toc)とトコトリエノール(T3)があり、各々4種の構造異性体を有する(図1)。近年トコトリエノールは強い抗酸化性、抗ガン活性、抗コレステロール活性などトコフェロールとは異なる生理機能が知られるようになり、新たな訴求性を与える因子として注目される。開花後から登熟期にかけての穂と葉のビタミンEの動態を詳細に調べることで、飼料用オオムギにおける最適な収穫時期に関する知見を得ることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 葉と穂のビタミンE含量は、穂よりも葉に多く含まれ、αトコフェロールが各部位で主要成分である。このことから、オオムギ全体のビタミンE含量は、主に葉中のαトコフェロール含量に依存する(図2)。
  2. 葉を利用する場合:葉においては、トコフェロールのみが検出され、登熟に従い黄熟期にかけ蓄積し、その後葉が枯死するに伴い減少する(図2)。ホールクロップサイレージなど、植物体全体を飼料として考える場合、ビタミンEの蓄積量は開花数日後から糊熟期から黄熟期にかけて最も高い。ビタミンEを多く含む飼料生産の観点から、糊熟期から黄熟期の収穫が望ましい(図2)。
  3. 穀実を利用する場合:トコトリエノールは穂においてのみ検出され、開花10日後から乳熟期にかけて蓄積し、黄熟期に定常に達する。一方、穂のトコフェロールは開花日にすでに蓄積がみられるが、これはもみ殻にあたる部分に存在するトコフェロールと考えられ、登熟に従い減少する(図2)。ビタミンEの蓄積量は糊熟期から完熟期にかけて最も高く、ビタミンEを多く含む飼料生産の観点から、黄熟期から完熟期の収穫が望ましい(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 天然ビタミンEは合成ビタミンEに比較し、ビタミンEとしての活性は高いことから、現行のビタミンE添加量を減らせる可能性がある。
  2. 図2では「ファイバースノウ」のデータを示したが、他品種の「ムサシボウ」においても同様である。
  3. ホールクロップサイレージ調製用にダイレクト収穫する場合は水分量70%以下で行うことが推奨されている。(「ダイレクト収穫体系による飼料用稲麦二毛作技術マニュアル 2013年度版」p.36)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027791
カテゴリ 大麦 飼料用作物 二毛作 品種

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