コムギ日長反応性遺伝子Ppd-B1及びPpd-D1の生育と収量への影響

タイトル コムギ日長反応性遺伝子Ppd-B1及びPpd-D1の生育と収量への影響
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2011
研究担当者 松山宏美
藤田雅也
関昌子
小島久代
島崎由美
松中仁
蝶野真喜子
八田浩一
久保堅司
高山敏之
乙部千雅子
小田俊介
渡邊好昭
加藤鎌司
発行年度 2014
要約 日長反応性遺伝子Ppd-B1Ppd-D1の不感光型はコムギを早生化させ、その程度はPpd-B1の方が大きい。出穂が早い系統ほどm2あたり粒数が少なく、両遺伝子とも不感光型の極早生系統は両遺伝子とも感光型の晩生系統より有意に減収する。
キーワード コムギ、日長反応性遺伝子、幼穂分化程度、早晩性、収量
背景・ねらい 水稲・麦・大豆の輪作体系における作期競合や、収穫期の雨害を回避するため、我が国のコムギ研究においては早生化を目標とした品種育成が行われている。東北以南のコムギ品種は日長反応性遺伝子Ppd-D1のみ不感光型のものが大半を占め、一部の極早生品種はPpd-B1及びPpd-D1を共に不感光型で持つ(Seki et al. 2011)。日長反応性を介した生育制御には改良の余地があり、日長反応性遺伝子の効果を明らかにしておく必要がある。そこで本研究では、準同質遺伝子系統を用いて、日長反応性遺伝子Ppd-B1及びPpd-D1の組み合わせが圃場における生育の早晩と収量に及ぼす影響を明らかにし、今後の我が国のコムギの早生化育種に資する。
成果の内容・特徴
  1. 不感光型のPpd-B1Ppd-D1は圃場において苞分化から頴花分化までの幼穂分化を早め、その効果はPpd-B1の方が大きく、両遺伝子の相加効果はない(図1)。
  2. 不感光型のPpd-B1Ppd-D1は、生殖成長の始まりである二重隆起形成期、頂端小穂形成期、茎立期、出穂期および成熟期を早め、その効果はPpd-B1の方が大きい。また、出穂期と成熟期の早期化に関してはPpd-B1Ppd-D1の相加効果があり、両遺伝子とも不感光型の系統は両遺伝子とも感光型の系統より出穂期が14日,成熟期が6日早くなる(表1)。
  3. 不感光型のPpd-B1Ppd-D1は稈長を短縮させ、両遺伝子の間で効果の差はなく、相加効果はある(表2)。
  4. 出穂期が早い系統ほど1穂小穂数、1穂粒数、m2あたり粒数及び子実重が少なく、両遺伝子とも不感光型の極早生系統は両遺伝子とも感光型の晩生系統より14%から47%減収する(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 日長反応性遺伝子を利用した品種育成に資する基礎的なデータとして活用する。
  2. 本試験で用いた準同質遺伝子系統は春化非反応型のVrn-A1型アブクマワセを背景としており、一般的な栽培品種を背景としていない。
  3. 本試験は、暖地温暖地(茨城県つくば市及び福岡県筑後市)における栽培試験である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027780
カテゴリ 育種 水稲 大豆 品種 輪作体系

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