重粘土FOEAS圃場でのネギ・ブロッコリー栽培における水位制御の効果

タイトル 重粘土FOEAS圃場でのネギ・ブロッコリー栽培における水位制御の効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2014
研究担当者 細野達夫
池田順一
大野智史
谷本岳
鈴木克拓
片山勝之
関口哲生
関正裕
発行年度 2014
要約 重粘土FOEAS圃場では、地下水位を定常的に畝面下-30cm程度に設定する制御によるネギ・ブロッコリーの生育促進効果は小さいが、夏季の土壌乾燥時の定植直後など、一時的に地表付近まで給水することによる生育・収量安定効果が期待できる。
キーワード ネギ、ブロッコリー、地下灌漑、重粘土、FOEAS
背景・ねらい 北陸地域に広く分布する、粘土含量が25%以上の強粘質土壌の水田、いわゆる重粘土水田への地下水位制御システム(FOEAS)の導入は、排水性の改善による湿害の防止と地下灌漑機能を利用した旱害の防止により、野菜栽培の生産安定にも大いに貢献することが期待されているが、重粘土FOEAS圃場での野菜栽培に関する情報は少ない。そこで、重粘土FOEAS圃場でのネギ(根深ネギ)とブロッコリーの栽培試験を通じて、水位制御による効果の解明と制御方法の確立をめざす。
成果の内容・特徴
  1. 重粘土FOEAS圃場では、設定水位(水位管理器の給水停止水位)を、一般的に多くの野菜の生育に適すると考えられる地下水位に相当する畝面下-30cm以深(耕深が通常の-10~-15cm程度で畝高さ10cmの場合、未耕うん域となる深さ)に固定した場合、給水量(地下灌漑量)は少なく(図1上)、本暗渠および補助孔位置以外への水の広がりは極めて少ない。この定常的な地下給水が表層の土壌水分(図1中)やネギの生育(表1)に及ぼす影響は小さい。
  2. 降水量・頻度が多い場合(図1、2011年)、畝面下-30cm程度の水位設定を継続すると、排水機能の低下(データ略)により根域の土壌水分が高く推移して(図1)生育を抑制する(表2の2011年)可能性がある。
  3. 夏季の土壌乾燥時のブロッコリー定植直後など、表層まで水分供給が必要な場合には、一時的に設定水位を田面より高くすることで、地下灌漑のみで圃場全体の地下水位と表層の土壌水分を高めることができる(図1、2012年)。この地下灌漑方法により、初期生育および収量が安定する(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 定常的に水位制御を行う場合は、排水機能低下リスクを小さくするため、水位管理器および水位制御器の設定は最低水位、すなわち田面下-40cm(畝面下-50cm程度)に設定し、梅雨期など地下水位が高まりやすい時期には、場合によっては給水を停止した上で暗渠を開放、すなわち水位制御器の内筒を外して排水を促進するのが適当と考えられる。
  2. 定植直後などに、一時的に表層まで給水する場合、水位管理器と水位制御器は最高水位に設定すれば速い給水速度を継続できる。試験例のような低い畝(10cm程度)の場合、畝間に湛水が生じる程度まで給水すれば苗の根域の水分を高めることが可能である。
  3. 定植直後の地下灌漑と畝面下-10cm程度への局所施肥とを組み合わせる場合、施肥位置直上への定植は、肥料やけによる苗の枯死の危険性がある。試験時の目視観察や表層土壌の電気伝導度(EC)測定から、ブロッコリーの場合、定植位置を施肥条から5cm以上横にずらした方がよいと判断される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027778
カテゴリ FOEAS 乾燥 栽培技術 湿害 水田 施肥 ねぎ 排水性 ブロッコリー 野菜栽培

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