多雪重粘土地域の地下水位制御システムにおける新技術導入効果の実証

タイトル 多雪重粘土地域の地下水位制御システムにおける新技術導入効果の実証
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2014
研究担当者 関正裕
大野智史
塩谷幸治
加藤仁
中山則和
鈴木克拓
坂田賢
南雲芳文
牛腸奈緒子
佐藤徹
川上修
東聡志
樋口泰浩
横山浩
金井政人
藤田与一
馬場純恵
発行年度 2014
要約 地下水位制御システムは、日本海側の多雪重粘土地域における水稲乾田直播や2年3作体系の導入を容易にし、単収が高く、作業競合の軽減と耕地利用率2割向上が図られる。費用合計は水稲で約3割、大麦で約2割、大豆で約4割削減が期待できる。
キーワード 地下水位制御システム、多雪重粘土地域、水稲乾田直播、2年3作体系
背景・ねらい 排水不良、土壌過湿条件となりやすく、作目間の収穫から播種といった作業競合が大きい日本海側の多雪重粘土地域では、作業性が低く、かつ大麦や大豆の収量安定化が難しい状況にある。このような状況下において、より省力的な条件で水稲、大麦、大豆の輪作体系を推進するためには、地下水位制御システムを活用した乾田直播栽培の導入や大麦、大豆の播種時の作業工程の省略化が必要である。そこで、地下水位制御システム導入地域において、乾田直播栽培や水稲-大麦-大豆2年3作体系の現地実証試験を行い、その体系の作物生産性、省力性・コスト低減について明らかにすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 地下水位制御システム圃場における水稲栽培は、本システムの貯水機能を利用して、無代かきによるV溝水稲乾田直播(無代かきV直)の導入が可能であり、水管理は基本的に地下潅漑のみで行える(図1)。
  2. 移植水稲後の大麦-大豆栽培では、本システムの排水機能による排水対策作業の省略、耕うん同時畝立て播種機の利用による事前耕起作業の省略が可能なケースが多くなる。大麦栽培では本システム及び耕うん同時畝立て播種技術により、水稲収穫後の大麦播種に係わる作業時間が10a当たり約0.4時間削減され、また大豆栽培ではディスク式中耕機の導入も加えて作業時間が10a当たり約0.5時間削減される(図2)。
  3. 水稲単収について、実証の無代かきV溝乾田直播水稲は対照の北陸平均に対して1割程度高く、参考の鉄コーティング湛水直播水稲よりも約1割高い(図3)。大麦-大豆の実証体系は、対照の北陸平均に対して、大麦は5割、大豆は9割高い(図3)。
  4. 水稲栽培では乾田直播、2年3作体系(水稲-大麦-大豆)の導入により、現地慣行(水稲-大豆)に比して、収益は約3割向上し、耕地利用率は約2割増加する。また、延べ作付面積の拡大により費用合計は、生産費調査の対比で概ね1俵あたりで水稲は北陸対比約3割、大麦は全国対比約2割、大豆は北陸対比約4割の削減が期待できる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:北陸地域で地下水位制御システムを導入または導入を検討している圃場で水稲-大麦-大豆等の輪作を行っている生産者および当該地区の普及指導員
  2. 普及予定地域:北陸地域にある地下水位制御システムを導入または導入を検討している重粘土水田地域(約1,800ha以上)。
  3. その他:
    (1)地下水位制御システムについては「地下水位制御システム(FOEAS)調査・設計・施工マニュアル改訂版」(農村工学研究所:2011年7月刊)を参照。
    (2)導入した新技術については「北陸地域の水田輪作における地下水制御システム利用マニュアル」(中央農研:印刷中)を参照。
    (3)2016年度は試験的に2戸1.5haで導入に向けたフォローアップを行う予定。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027766
カテゴリ FOEAS 大麦 乾田直播 新技術導入 水田 水稲 大豆 低コスト 播種 水管理 輪作 輪作体系

この記事は