離れたところからシロアリの居場所を探る-高性能マイクによる新しいシロアリ食害検出技術-

タイトル 離れたところからシロアリの居場所を探る-高性能マイクによる新しいシロアリ食害検出技術-
担当機関 (独)森林総合研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 大村 和香子
神原 広平
原田 真樹
加藤 英雄
渋沢 龍也
田代 秀夫
発行年度 2015
要約 住宅・公共建築物等をシロアリ被害から守って長く安心して使うため、シロアリ食害音の超音波成分を感度よく検出できる高性能マイクロホンを搭載したシロアリ被害検出装置を開発しました。
背景・ねらい シロアリが木材をかじっているときに発生する食害音の超音波成分(=ヒトの耳には聞こえない音)を感度よく検出できる高性能のマイクロホンを搭載したシロアリ被害検出装置を開発しました。この装置は、1m 離れていても従来の機器とほぼ同じ精度で食害音を検出できることから、直接床下に潜ってシロアリ被害が疑われるところまで行かなくても、床下点検口からマイクを向けるだけでシロアリ被害を発見できる可能性があり、被害検出作業を大幅に効率化できます。なお、本成果は「既存住宅売買・リフォームに係る保証・保険制度における技術的ガイドライン」((一社)日本非破壊検査工業会)に反映されました。
成果の内容・特徴 なぜ怖い?シロアリ被害
木造の住宅や公共建築物等を長く安心して使い続けるためには、シロアリ等の木材害虫の被害を早期に検出して対策を行う必要があります。シロアリによる被害を知らずに放っておくと、使われている材料がかじられて細くなってしまい、地震などの大きな揺れに耐えきれず倒壊してしまう危険性があります。

シロアリから建物を守るために
シロアリによる建物被害は、床下や壁の中など、通常の生活では見えにくいところで発生し、気づかないうちに進行します。被害を最小限に食い止めるためには、‘ 生きた’ シロアリの居場所を探して駆除する必要があります。シロアリ被害を受けた木材は、表面を軽く叩くと空洞音がしたり、表面に小さな穴が開いていたりします。また「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる土やシロアリの糞などで作られるトンネルが見つかることがあります。これまでは、このようなシロアリ被害の兆候を見つけて、さらに木材や蟻道を一部壊して‘ 生きた’ シロアリがいるか確認するために、床下等の狭い場所に直接潜る必要がありました。

シロアリの居場所探し
さて、シロアリが木材をかじって食べるときには” 音” が出ます。この音には人間には聞こえない音(20kHz ~ 80kHzの超音波)が混じっていて、この超音波を特異的に検出することで、木をかじっているシロアリの居場所を見つけることができます。シロアリの居場所がわかれば、薬剤等で効率よくシロアリを駆除できます。

画期的! マイクロホンを使った被害検出
そこで超音波を感知できる超高感度のマイクロホンに、さらにマイクロホンを向けた先から聞こえる‘ 音’ だけ検出できるような工夫を組み合わせた新しいシロアリ被害検出装置を開発しました。
実験室内でのテストを経た後、さらに中古住宅や当研究所の実験住宅で本装置の有効性を検証し、1m 程度離れたところからでもシロアリを探知可能であることを実証しました。この装置を使うことによって、床下に潜って作業する必要もなくなり、シロアリ被害検出の作業時間・労力の大幅な短縮が見込めるようになりました。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027744
カテゴリ 害虫 薬剤

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