間伐材等国産材を用いたコンクリート型枠用合板の開発

タイトル 間伐材等国産材を用いたコンクリート型枠用合板の開発
担当機関 (独)森林総合研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 渋沢 龍也
宮本 康太
杉本 健一
青木 謙治
川喜多 進
中山 正夫
三野輪 賢二
木下 武幸
尾方 伸次
発行年度 2015
要約 スギ・カラマツ・ヒノキなど主要な国産針葉樹材を用い、表面に塗装を施したコンクリート型枠用合板を開発しました。性能試験を行い、実際の建築・土木工事で試用することでその実用性を明らかにしました。
背景・ねらい スギやカラマツ、ヒノキなどの主要な国産針葉樹材を用いて、表面に塗装を施したコンクリート型枠用合板を開発しました。使用する木材の樹種や構成を工夫することで、強度、耐久性、耐アルカリ性、接着性能、転用回数(繰り返し使用できる回数)など、従来の南洋材合板と遜色ない性能を発揮できることを性能試験で確認しました。さらに、実際の建築工事や土木工事の現場で試用してもらい、その実用性を明らかにしました。これらの成果により、間伐材等国産材を活用したコンクリート型枠用合板は「合板型枠」としてグリーン購入法の特定調達品目に追加指定されました。

グリーン購入法
「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」。国等の機関にグリーン購入(環境に配慮した物品の購入)を義務づけるとともに、地方公共団体や事業者・国民にもグリーン購入に努めることを求める制度。
成果の内容・特徴 コンクリート型枠用合板とは
建築や土木の工事現場では、コンクリートを一定の型に流し込んで固めますが、この型のことを「型枠」と呼びます。型枠には様々な材料が使われますが、最も多いのが木材を原料とするコンクリート型枠用合板です。コンクリート型枠用合板には、高い強度性能、耐水性能や転用回数( 何回繰り返し使用できるか) といった性能が求められます。
現在の型枠用合板の需要量約80 万m3 のうち、国内生産量は1 割に満たず、ほとんどが南洋産広葉樹材と推計されています。一方、わが国では、戦後造林された森林が利用期を迎え、次世代への持続的な育成のためにも国産材利用の拡大が急務となっています。そこで、国産針葉樹材を用いた型枠用合板の開発を目指しました。

型枠用合板に必要な性能を向上させる
合板は単板( たんぱん) と呼ばれる、丸太をかつら剥きした薄い板の繊維方向を直交させて貼り合わせた板です。その強度は、木材の樹種や単板構成( 単板の枚数や厚さ) などによって変化します。そこで、スギ、ヒノキ、カラマツなど、様々な樹種の木材を用い、単板構成を変えた合板の性能を評価し、強度性能を向上させる方法を検討しました(図1、2)。転用回数の向上には、合板の表面を保護することが有効であるため、国産針葉樹材に対応した塗装技術についても検討しました。
その結果、塗装を施した国産材型枠用合板は、従来の南洋材型枠用合板と比較して遜色のない強度、耐久性、耐アルカリ性、接着性能、転用回数などの性能を持つことが分かりました。

型枠用合板を実際に使用して評価
実際の14 階建てのマンションの工事現場で、国産材型枠用合板を間仕切り壁や床のコンクリート施工に使用し、最上階まで転用しながら検証を行いました。その結果、転用回数が増しても、コンクリート壁面のふくらみや凹凸はほとんどみられず、南洋材型枠用合板と同等の性能を有することを実証しました。さらに、コンクリート擁壁(斜面の崩壊を防ぐための壁)や治山工事、道路建設に使用しても従来の型枠用合板と同様に使用可能であることが明らかになりました(図3)。
本課題の成果により、国産針葉樹合板がコンクリート型枠用として「合板の日本農林規格」(JAS 規格)に規定されるとともに、グリーン購入法の特定調達品目へ新規に追加指定されたことから、国産材を活用したコンクリート型枠用合板の需要拡大及び木材自給率向上が期待されます。

本研究は、平成26 年度 林野庁補助事業地域材利活用倍増戦略プロジエクト事業(地域材利用促進のうち新規分野木材利用促進事業)に基づく日本合板工業組合連合会と森林総合研究所の共同研究「地域材を用いたコンクリート型枠用合板の開発」の成果です。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027743
カテゴリ 需要拡大

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