ガラモ場回復のための技術開発

タイトル ガラモ場回復のための技術開発
担当機関 静岡県水産技術研究所
研究課題名
研究期間 2011~2013
研究担当者 山田博一
発行年度 2014
要約 ホンダワラ類の衰退域で、ガンガゼの侵入を防ぐため網をフェンスとして張り、フェンス内のガンガゼを除去するとともに、ホンダワラ類の幼胚を供給することでガラモ場の回復がみられた。
背景・ねらい 近年、静岡県駿河湾奥に位置する内浦湾沿岸域ではガラモ場が衰退しているが、原因として、高密度に生息するガンガゼの摂食の影響が大きいと考えられた。そこで、ガラモ場衰退域での回復技術を確立する。
成果の内容・特徴 (1)内浦湾沿岸の平沢地先で陸側から沖側に向かって2枚のフェンスを設置することで、ガンガゼの侵入を防御できることが明らかとなった。(2)フェンスが大岩に接触した所やフェンスが強い潮の流れなどにより倒れた所からガンガゼが侵入する場合があったが、フェンスを大岩に接触しないように設置するとともに、土嚢とフェンス上部をロープで固定するフェンス倒れ防止策を併用することでガンガゼの侵入を軽減できた。(3)平沢地先で設定したフェンス内(約6,000m2)で、スキューバ潜水により3名が約9時間の作業で、約2万個体のガンガゼを除去できることがわかった。(4)フェンスでは侵入を防御できないガンガゼ稚ウニの出現時期及び成長を調べた結果、8月に出現の盛期があり、1年で殻径20~30mmに成長することが明らかとなった。また、当歳のウニを除去しない場合でもフェンス内でホンダワラ類の生育が認められたことから、殻径30mm以上から食害の影響が大きくなることが明らかとなった。(5)殻径30mm以上のガンガゼの摂食活動は、水温と正の関係にあり、水温の高い時期に活発になることが飼育から明らかとなった。(6)殻径30mm以上のガンガゼの摂食活動が活発となる夏から秋にかけては、ホンダワラ類が発芽して生育する時期でもあることから、この時期にフェンス内でガンガゼが高密度で見られた場合、ガンガゼを除去することが効果的と考えられた。(7)フェンス内に成熟前のホンダワラ類の母藻(マメタワラ)を約150株供給した結果、翌年の春に母藻由来のホンダワラ類が4,000~5,000株生育したと推定された。(8)母藻から主に20~30mまでの範囲で生育密度の高いことが明らかとなった。(9)着生した幼体は、生長、成熟し、2年目の春にはさらに広範囲に密度の高い藻場をつくることができたことから、母藻の供給は初年度のみで良いことが分かった。(10)2年目の夏にフェンスを拡大し、拡大域のガンガゼを除去したところ、3年目の春には拡大域はもとより、フェンス外側にもホンダワラ類の生育が確認された。
成果の活用面・留意点 ガンガゼの除去やホンダワラ類の母藻の供給にはある程度の労力を必要とするため、回復させる藻場面積を考慮に入れながら計画的に進めていく必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027613
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