タイトル | アカイカ好漁場予測システムの双方向配信による社会実装 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 東北区水産研究所 |
研究課題名 | |
研究期間 | 2010~2014 |
研究担当者 |
酒井光夫 加藤慶樹 碓氷典久 蒲地政文 豊田隆寛 五十嵐弘道 石川洋一 西川史朗 西川悠 細田滋毅 増田周平 清藤真樹 齊藤誠一 Irene Alabia 佐々木祐子 劉陽 飯山将晃 小山田耕二 坂本尚久 尾上洋介 淡路敏之 |
発行年度 | 2014 |
要約 | 「気候変動に伴う水産資源・海況変動予測技術革新と実利用化」において、操業中の漁業者へリアルタイムで好漁場予測情報の発信するだけではなく、漁業者からリアルタイムで漁獲成績報告をシステム側に送信できる双方向の自動配信システムが完成した。これにより、好漁場予測の高度化が実現し、効率的な漁場探索を可能にした。 |
背景・ねらい | 北太平洋の日付変更線付近でアカイカを対象として操業する中型いか釣り船によるアカイカ漁の夏漁は、漁場が遠方にあることに加え、海域の海洋構造が単調であることから漁場探索が極めて難しい。船団による探索を行っているが、近年のアカイカ資源水準の低下に加え燃油の高騰によって、燃油消費や探索時間のロスが大きく、経営を圧迫している。このため、好漁場予測の手法開発およびそれらの当業船へのリアルタイム配信が喫緊の課題となっていた。 |
成果の内容・特徴 | 日々の漁海況変動に伴うアカイカの好適生息域推定を行うためには、数日スケールでの海況変動を正確に再現した海洋環境データセットを用いる必要がある。そこで本研究では、海洋環境変数としてスーパーコンピュータを使って計算された気象庁気象研究所の海洋大循環データ同化システムを用いた漁場予測モデルを開発した。さらに、本成果では現場の漁獲情報(漁獲成績報告)をリアルタイムに漁船から研究者側に逆配信するシステムの運用を開始した。この漁業情報のリアルタイム受信システムを活用することで、予測モデルのズレやその原因を操業期間中に把握することができるようになったばかりか、入力データからリアルタイムのCPUEの漁期中の変化も捉えることができるようになった。このため、モデルによる予測自動配信だけではなく、マニュアル操作ではあるが研究者の総合的判断などを加味した推奨海域などを漁船にフィードバック配信も可能となった。 |
成果の活用面・留意点 | 効率的な漁業経営に資する本成果は、アカイカ以外の魚種への応用が可能な成果である。ただし、この配信システムは研究開発のための運用であることから、プロジェクト終了後の維持については新たな課題立てが必要であり、現在その検討を行っている。 |
カテゴリ | 環境データ 経営管理 |