「ふくひびき」利用による飼料用イネ地上部放射性セシウム濃度の低減効果

タイトル 「ふくひびき」利用による飼料用イネ地上部放射性セシウム濃度の低減効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2012~2013
研究担当者 原田久富美
伊吹俊彦
後藤明俊
近藤始彦
藤澤弥榮
藤田智博
佐久間祐樹
朽木靖之
齋藤隆
斎藤 栄
上野源一
佐田竜一
発行年度 2013
要約 飼料用イネ地上部の放射性セシウム濃度には品種間差がある。水田条件によって品種間差が判然としない場合もあるが、5水田の平均で「ふくひびき」はインド型品種「ハバタキ」より45%低く、放射性Cs濃度が低い飼料用イネ品種として有望である。
キーワード 飼料用イネ、放射性セシウム、品種間差
背景・ねらい 飼料用イネの放射性セシウム(Cs)濃度は、これまでのモニタリング調査において暫定許容値を超える割合が低く、安全に利用できる飼料作物として期待されている。飼料用イネの放射性Cs濃度の低減には、高刈り、堆肥散布や施肥による交換性カリ含量の確保が有効であることがすでに明らかとなっているが、海外文献等では草種や品種間の違いも指摘されている。本研究では、稲発酵粗飼料としての利用を想定し、飼料用イネ地上部の放射性Cs濃度が低い品種を同定するとともに、複数圃場で導入効果を検討し、品種選択による放射性Cs濃度の低減効果を解明する。
成果の内容・特徴
  1. 2012~2013年に栃木県及び福島県内の5水田において、低濃度品種候補「ふくひびき」、標準品種として栽培特性に優れる「夢あおば」、インド型品種「ハバタキ」の3品種を中心に、飼料用イネ地上部の放射性Cs濃度を比較すると、3水田(A、B、C)において統計的に有意な品種間差が認められ、その序列は「ふくひびき」≦「夢あおば」≦「ハバタキ」である。(図1)。
  2. 一方、2水田(D、E)では有意な品種間差がなく、AとC水田では「モミロマン」と「ふくひびき」の序列が異なるなど、水田によって品種間差の現れ方に違いが見られる。
  3. 5水田で得られた結果を平均すると、「夢あおば」に比べて、「ふくひびき」は22%低く、「ハバタキ」は42%高い(表1)。
  4. 以上のことから「ふくひびき」は放射性Cs濃度が低い飼料用イネ品種として有望である。
成果の活用面・留意点
  1. 県及び農協等、指導機関の関係者及び生産者に参考となる情報である。
  2. 3水田(C、D、E)で調査した飼料用米(玄米)における放射性Cs濃度の品種間差は、地上部の放射性Cs濃度と同様の傾向である。
  3. 品種間差が判然としなかった水田では、土壌的要因として移行係数が他より1桁低い(D水田)、粘土含量が高い(E水田)ことや、作物的要因として晩生品種で序列が入れ替わりやすい等の特徴が伺えるが、現時点ではこれらの要因の影響は不明であり、今後、品種間差が確実に得られる土壌条件等について明らかにする必要がある。
  4. 「ふくひびき」は、東北農業試験場(現東北農業研究センター)が1993年に育成した多用途向け多収品種である。育成当時は福島県の奨励品種に採用され、近年も福島県内や山形県庄内地区において栽培実績がある。縞葉枯病抵抗性が付与されておらず、縞葉枯病の常発地帯である栃木県等での利用には、ヒメトビウンカの防除対策を実施する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027582
カテゴリ 縞葉枯病 飼料用米 飼料作物 飼料用作物 水田 施肥 抵抗性 ヒメトビウンカ 品種 防除 モニタリング

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