カシューナッツ殻液投与はルーメン内代謝性水素のメタン産生への流れを減らす

タイトル カシューナッツ殻液投与はルーメン内代謝性水素のメタン産生への流れを減らす
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2013
研究担当者 三森眞琴
永西 修
真貝拓三
樋口浩二
小林洋介
竹中昭雄
長嶋協
望月正己
小林泰男
発行年度 2013
要約 カシューナッツ殻液製剤を反すう家畜に給与すると、ルーメンからのメタン産生量 が抑制され、メタン産生に消費されるルーメン内代謝性水素は減少するが、プロピオン酸 産生へ流入する代謝性水素の割合は増大する。
キーワード 反すう家畜、ルーメン内代謝性水素、メタン産生抑制、飼料効率
背景・ねらい ルーメン微生物による発酵作用(ルーメン発酵)は植物繊維などの難分解性の飼料を分 解して反すう家畜に栄養を供給している。しかし、ルーメン発酵により産生されるメタンは主要な温室効果ガスとして地球環境に影響を及ぼすだけではなく、飼料エネルギーの損失であることから、メタン産生を低減させることによって飼料効率の増大が期待される。
カシューナッツ殻液製剤(CNSL製剤)を反すう家畜に給与すると、ルーメン発酵に由来するメタン発生量が減少するが、そのメカニズムは十分に明らかにされていない。そこで、ルーメン内代謝性水素の動態を解析し、CNSL製剤がルーメン内代謝性水素の動態に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. CNSL60%含有シリカ粉剤(CNSL 製剤A)およびCNSL22%含有ペレット製剤(CNSL製剤B)を調製する。ホルスタイン種ウシを呼吸試験装置へ入れ、試験1ではCNSL 製剤Aを4g CNSL/体重100kg/日の水準で3週間、試験2ではCNSL製剤Bを3g CNSL/体重100kg/日の水準で2週間投与し(CNSL投与区1)、その後、4g CNSL/体重100kg/日の水準で2週間投与する(CNSL投与区2)。試験期間中の呼吸試験装置内のガス(酸素、二酸化炭素、メタン)の濃度はガス分析装置で測定する。
  2. 朝の給餌前に採取したルーメン内容物を4重ガーゼでろ過し、ルーメン試料とする。このルーメン試料の短鎖脂肪酸(SCFA)をガスクロマトグラフィーで定量する。代謝性水素産生量(2HP)、代謝性水素消費量(2HU)、SCFA産生に消費される代謝性水素量(2HUS)、メタン産生に消費される代謝性水素量(2HUM)、水素ガス産生に消費される代謝性水素量(2HUH)をSCFA(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸)の濃度より求める。この際、水素ガス産生量が0以下の場合には水素ガス産生量は0とする。
  3. メタン産生量は試験1のCNSL投与区で有意に減少する。一方、試験2では有意差は認められないが、2HUMは試験1のCNSL投与区および試験2のCNSL投与区2で有意に減少する(表1)。
  4. 代謝性水素の回収率はメタン減少率の増大に伴い、2HUMで減少し、2HUHで増加する(図1)。2HUSは変化しないが、プロピオン酸産生に消費される代謝性水素量は増大する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. CNSL製剤によるメタン産生低減のメカニズムを示す基礎的知見として活用できる。
  2. CNSL製剤は2HUM/2HPの割合を減少させるが、この効果はCNSLの投与量に依存する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027576
カテゴリ 飼料効率 ナッツ

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