キク寄生性ネグサレセンチュウ2種の寄主作物

タイトル キク寄生性ネグサレセンチュウ2種の寄主作物
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2012
研究担当者 上杉謙太
岩堀英晶
立石靖
発行年度 2013
要約 クマモトネグサレセンチュウは、接種試験に供試した作物のうちキクを含む3作物で増殖が認められ、ニセミナミネグサレセンチュウはキクを含む9作物で増殖が認められる。線虫抑制作物7作物では両線虫種の増殖は認められない。
キーワード クマモトネグサレセンチュウ、ニセミナミネグサレセンチュウ
背景・ねらい キクを加害する線虫は従来キタネグサレセンチュウが知られていたが、90年代以降クマモトネグサレセンチュウPratylenchus kumamotoensis、ニセミナミネグサレセンチュウP. pseudocoffeae(以下ネグサレセンチュウを省略)の2新種が寄生することが発見され、近年ではクマモトが九州沖縄地域の優占種となっている。しかし、クマモトとニセミナミの生態に関する調査例はほとんどなく、これら2種が増殖する寄主作物については、キク、ヨモギからの検出例以外に知見がない。有害線虫の寄主範囲に関する知見は、線虫の耕種的防除に重要であることに加え、クマモト、ニセミナミのような新規発生種が今後分布を拡大する可能性を検討する上でも重要な情報となる。そこで、主要作物を用いた室内接種検定を行い、これら2種線虫の増殖可能な寄主作物を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. クマモトはキクでの増殖性が高いが、その他の作物ではインゲン、シュンギクを除き増殖が認められない(表1)。
  2. ニセミナミはキク、ゴボウ、レタス、シュンギク、インゲンでの増殖性が高く、トマト、ナス、キュウリ、ダイズでも増殖が認められ、クマモトよりも寄主範囲が広いことが示唆される(表1)。
  3. ネコブセンチュウまたはネグサレセンチュウの抑制作物として市販されている7作物では、クマモト、ニセミナミの増殖は認められない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. キク圃場のネグサレセンチュウは2種以上が混発することが多いため、キタを含めいずれの線虫も増殖しない作物が耕種的防除に適する。今回の供試作物の中では、フレンチマリーゴールド、エンバク野生種、サツマイモ、ラッカセイがキタ、クマモトに共通の線虫抑制作物とされており(杉村・川崎2008)、これらではニセミナミの増殖性も低い。
  2. 今後、クマモト、ニセミナミの増殖する寄主作物からネグサレセンチュウが検出された際には、これら2種である可能性も考慮する必要がある。クマモト、ニセミナミはPCR-RFLP法により他のネグサレセンチュウと区別できる(Uesugi et al., 2009)。
  3. 同じ作物でも品種により線虫の増殖性が大きく異なる可能性がある。
  4. レタスにおけるクマモトの増殖性は調査していないので、今後検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027529
カテゴリ きく きゅうり ごぼう しゅんぎく 大豆 トマト なす 品種 防除 マリーゴールド よもぎ らっかせい レタス その他の作物

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