低高度空撮による投影面積を用いたレタスの新鮮重の推定と処理間差の解析

タイトル 低高度空撮による投影面積を用いたレタスの新鮮重の推定と処理間差の解析
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2011
研究担当者 村上敏文
出澤文武
発行年度 2013
要約 低高度の空撮画像を使って計測した投影面積は、結球開始期までについてはレタスの個体新鮮重と相関が高く、施肥処理間差の比較結果ともよく一致し、生育途中の非破壊の生育解析に用いることが可能である。
キーワード 小型空撮気球、レタス、投影面積、新鮮重、施肥処理
背景・ねらい 低高度からの農地の空撮は、地上からの観察ではわからない作物生育の全体像を明らかにし、広い範囲の生育を解析するのに有効である。最近、簡便な操作で低高度空撮が行える小型気球や無人飛行体(UAV)が利用できるようになったため、研究が進んでいるムギ類などの土地利用型作物で、空撮による生育解析が普及しつつある。しかし、結球性野菜では研究例がほとんどなく、実用化に至っていない。そこで、結球レタスを対象に、結球開始期と収穫期に低高度空撮を行い、真上から見た画像の投影面積(以下推定面積)を使って個体新鮮重の推定及び施肥の処理間差の解析を行い、非破壊調査の実用性を検証するとともに、手法の適用範囲を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 空撮画像の面積測定は以下の方法で行う。小型気球(全長2.2m、体積0.56m3、コンパクトデジタルカメラ1000-1200万画素、35mm判換算焦点距離25mm程度)で65m以下の低高度から圃場と4角に置いた指標を撮影する。地上解像度は1画素あたり1-2cmとなる。指標間の距離を元にCadソフト(Jw cad Ver. 6.21a)で正確な圃場地形図を描く。画像処理ソフト(Photoshop Elements 7.0)で、その上に空撮画像を重ね、変形ツールを使って地形の歪みを修正する。レタス部分を色選択ツールにより選択し、白黒の2値画像に変換し、画像解析ソフト(ImageJ Ver.1.46)で、多角形選択ツールを使って1株を囲み、面積を測定する(図1)。
  2. レタスの推定面積と新鮮重は、夏どり、秋どりのいずれの作型でも結球開始期まで相関が高く(相関係数0.8以上、図2)、両者に基づく施肥処理効果の解析結果はよく一致する(2011年、図3のa1とa2)。しかし、収穫期の相関はやや低く(0.63、図2)、推定面積と新鮮重に基づく施肥処理効果の解析結果はあまり一致しない(図3のb1とb2)。したがって、低高度の空撮画像に基づく投影面積をレタスの生育解析に用いることができるのは、結球開始期までである。
成果の活用面・留意点
  1. 同様の生育状況を示す他の結球性野菜であれば、この情報を適用できる。
  2. 収穫期で相関が低いのは、推定面積が同じでも結球の充実度が個体によって異なり、重さが変動するためと考えられる。
  3. 解析に用いた画像は正射投影像ではないが、レタスの高さが撮影高度に比べて充分低いので、レタスの歪みの誤差は無視できる。
  4. 気球を掲揚する時は、必ず事前に係留索の劣化の有無を点検し安全確認を行う。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027477
カテゴリ 画像処理 施肥 レタス

この記事は