ユリ「シベリア」は冷涼条件での栽培で乾物蓄積が促進され切り花品質が向上する

タイトル ユリ「シベリア」は冷涼条件での栽培で乾物蓄積が促進され切り花品質が向上する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2010
研究担当者 稲本勝彦
山崎博子
長菅香織
矢野孝喜
発行年度 2013
要約 オリエンタル系に属するユリ「シベリア」は、平均温度20°C程度の冷涼条件での栽培で開花までの植物体各部位への乾物蓄積が促進され、新鮮重が重く、長く堅い茎をもつ品質のよい切り花が得られる。
キーワード オリエンタル系ユリ、栽培温度、乾物蓄積、切り花品質、生長解析
背景・ねらい オリエンタル系ユリは、日本のユリ切り花生産における重要系統であるにも関わらず、栽培環境と生育および切り花品質との関係についての基礎情報が乏しく、テッポウユリ等性質が異なると考えられる系統の情報に多くを頼っているのが現状である。本研究では、乾物蓄積が切り花品質を決定する最も重要な要因と考え、オリエンタル系ユリ主要品種「シベリア」をいくつかの温度条件を設定して栽培し、部位別の乾物蓄積に及ぼす影響について解明する。
成果の内容・特徴
  1. 温度条件を変えて栽培すると、平均温度20°C程度の冷涼な条件での栽培で、開花段階の茎、りん茎、個体全体の乾物重が大きくなる(図1)。
  2. 冷涼な条件での栽培で、開花段階の切り花相当部分(葉、茎、花蕾)の新鮮重が大きくなり、茎長が長く、茎の乾物率が大きくなる(表1)。すなわち、植物体各部位への乾物蓄積が促進され、新鮮重が大きく、長く堅い茎をもつ品質のよい切り花が得られる。
  3. 温度条件による葉面積の違いはなく、冷涼な条件での栽培で植付けから開花までの純同化率が大きくなる(表2)ことから、乾物蓄積の促進は葉面積あたりの光合成効率の向上による。
成果の活用面・留意点
  1. 実験は、時期および時刻により外気に追随して変動する温度勾配温室(無遮光)と、昼温(6:00~18:00)および夜温(18:00~6:00)を一定とした屋外型恒温装置(40%遮光)を用いて行った。
  2. 温度勾配温室では栽培期間を通した平均が25.8°C、23.4°C、19.9°Cとなる3区、屋外型恒温装置では昼温/夜温を28/23°C、24/19°C、20/15°Cとした3区を設定した。
  3. 2008年6月18日に、21cmポットを用い、植付け時に微量要素入り緩効性被覆肥料100日溶出タイプ(窒素12:リン酸10:カリ11)をポットあたり10g施用して定植した結果である。
  4. 設定した範囲以上あるいは以下での温度条件では、生理障害等による生育の阻害が予想される。
  5. 高温による品質低下への対策として遮光やヒートポンプ冷房により温度を下げることが有効と考えられるが、遮光については日射量の低下による光合成への影響を考慮する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027474
カテゴリ 栽培技術 生理障害 品種 ヒートポンプ ゆり

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